神戸が今季2度目の監督交代を行いました。吉田孝行新監督の初戦となるアウェイの鳥栖戦に2-0と勝利を収めたものの、まだまだ茨の道が続きます。

現在の勝点が14。残留の目安の数字は「試合数×1」と言われていますから、残り15試合で7勝すれば、最低ラインには届くことになります。もっともギリギリで降格を避けるのは避けたいと考えると、神戸は2試合に1回以上勝たなければなりません。

ここまで3勝しかしていないチームにとって大変なことだと思います。ですが神戸の選手リストには、アンドレス・イニエスタを筆頭に代表選手、元代表選手が名を連ねています。力はあるはずなのです。

神戸混迷の理由は明白です。これまでも繰り返して言ってきましたが、スタイルが定まらないことです。2013年からの10年を考えても9人の監督が就任し、そのたびに方向が変更されてきました。現在Jリーグでトップを走る横浜FM、鹿島、川崎のように、名前を挙げるだけでどんなサッカーをするのか想像できるということはありません。

もっとも今季はスタイルを考えるより、もう目標を「残留」に切り替え、勝点を稼ぐためにプレーするべきでしょう。そして残留した後に、「神戸のサッカー」として「どういう戦いをしたいか」を明確にして、そのための選手を獲得しなければいけないと思います。

イニエスタがそのサッカーを実現するための「駒」としてプレーできるようにチームを作り上げないと、同じことを繰り返してしまいます。神戸のようにサッカーに投資しているクラブが、きちんと方向性を見つけて優勝争いをしてこそ、Jリーグはますます盛り上がるはずです。

菅原智コーチ、林健太郎スカウト、栗原圭介強化部長とは、現役時代にチームメイトでした。それに吉田監督は現役時代に横浜フリューゲルスでともにプレーしました。吉田監督は、前線からボールを追ってチームのために貢献するプレーヤーだったことを思い出します。今の神戸はそういう選手が求められる状況です。神戸には何とかここから巻き返してほしいと願います。