※この記事は2020年09月11日にBLOGOSで公開されたものです

BLOGOS読者の皆様こんにちは、倉持由香です。今回は先日31歳の若さで亡くなられた階戸瑠李ちゃんのことを綴っていきたいと思います。

同じ時代を共に苦労してきたグラドルの同志で、同じ事務所に所属する仲間でもありました。『アーティストリート』というオンラインサロンで対談もしたばかりで。本当についこの間の出来事です。

瑠李ちゃんに最後に会ったのは7月17日でした。事務所のファンクラブサイト用の写真を一緒に撮影したんです。

スタッフさんが用意してくれた衣装の中から一番エッチな衣装を自分で選んで、すごく楽しそうにグラビア撮影をしていました。最後にした会話は、

階戸「ようやく引越し終わったよ~~!」
倉持「荷ほどき終わって落ち着いたら遊びに行くね!」

だったと思います。新居探し中の段階で、エリアや条件を「この街はどうかな~?」などと話していたので……。でも、遊びに行くことは叶わなくなってしまいました。瑠李ちゃんのくしゃっとした笑顔がいまも脳裏から離れません。

一緒にお仕事をする機会は何度もありましたが、突然容態が悪くなることなんて一度もなく、瑠李ちゃんに持病があったことも知らなかったです。もちろん、事務所は把握していたのでしょうけど、頻繁に発作が起きるようなことはなかったのだと思います。

事務所から連絡が来た時は本当にびっくりして、「嘘でしょ?」と。数週間前はあんなに元気だったのに、もう二度と会えないという事実がいまだに信じられません。

常に全力でサービスするファン思いの子だった

出会ったのは7年ぐらい前。私がMCをしていたニコニコ生放送の番組にゲストで来てくれたのが初対面でした。瑠李ちゃんのデビューDVD『シナモン』という作品がとても好きだったんです。ジャケットの写真を見て「知的な色気のあるお姉さんが現れたぞ!」と衝撃を受けました。

私は、吉木りささんの体型が好きなんですけど、吉木さん系統の雰囲気を持っているなと。上品で綺麗なお姉さんで、胸がそんなに大きいわけじゃないけど、すらっとしてお尻は大きくて、個人的に刺さる体型で。グラドルとして階戸瑠李ちゃんは逸材だと。

上智大卒で知的なエッチなお姉さん! 最高じゃないですか! と話していたら、番組に来てくれたんです。その時に私が魅力を熱弁していたら、ちょっと照れながら「ありがとう~」と笑ってくれて。

それから、グラビア企画で一緒になる機会が増えました。イベントなどで共演することも増え、2015年のとしまえん撮影会も一緒でした。ちょうど先月、このコラムで名前を出したところだったんですけど……。2015年のとしまえん撮影会で一番目立ってたのは階戸瑠李ちゃんだと思っています。DVDで着るような角度の白いハイレグ水着で、出演者の中で一番攻めた衣装でした。


当時、私が瑠李ちゃんを「そのハイレグすごくいいよ!! エッチだね!」とめちゃくちゃ褒めていたみたいで、ファンの方が瑠李ちゃんの当時のブログに「もっちーが褒めてくれたって書いてありましたよ」とスクショを貼って教えてくれて。その画像を見たら涙がぶわっと出てきました。

瑠李ちゃんはいつもサービス精神が旺盛で、うちの事務所のタレントはよく写真販売サービスを利用しているんですけど「ついつい脱ぎ過ぎちゃうよね」とか「ついつい値段を安くしちゃうの」と話していて。ブランド価値を高めなきゃいけないのに、大好きなファンの方々のためにサービスしすぎてしまうのだそうです。

あとは「週プレ酒場」のイベントで、よくファンの方と一緒に乾杯していたんですけど、瑠李ちゃんはステージから降りて一席ずつ乾杯しに行っていたのも印象に残っています。

露出の激しい写真をTwitterやインスタに載せすぎて、女性マネージャーから「もうちょっと出し惜しみしてね!(笑)」と注意されていたこともありました。常に全力でサービスする、ファン思いの子でした。

女優に転身してもグラビアへの思いは変わらず

事務所が一緒になったのは最近のことで、フリーで活動している時期にうちのマネージャーと何度か話す機会があって「ウチに来ますか?」と誘ったみたいです。私はグラビアアイドルとしての瑠李ちゃんがすごく好きだったので、同じ事務所になると聞いて「よっしゃ!」と思って。

女優さんに転身してからは『全裸監督』などでの体当たりの演技が評価されて、最近の『半沢直樹』もネットニュースでとても話題になりました。大好きな瑠李ちゃんが評価されていることが私もすごく嬉しくて。「そうだろう!?」みたいな謎のドヤ感というか。

これから先に決まっていたお仕事も多くて、事務所としても瑠李ちゃんに期待していた部分も大きかったですし、事務所のファンクラブイベントも合同でやっていこうっていう話が進んでいたんです。

グラビアを卒業してから女優になった途端に「グラビアはやらされてました」とか「グラビア時代の話はしないで下さい」とか「もう水着にはなりません」ってなっちゃう子も多いんですけど、瑠李ちゃんはグラビアのことも愛してくれていて、自分のグラビア時代に誇りも持っていましたし、いまでもセクシーな衣装や表現が好きな子でした。

事務所のファンクラブ用に撮影している公開していない瑠李ちゃんの写真もまだたくさんあると思うので、どうするのかわからないですけど、私は公開して欲しいなと思います。女優としての瑠李ちゃんももちろん魅力的なんですけど、グラビアや被写体としての瑠李ちゃんもとっても魅力的なので。1人でも多くの方に魅力を知って欲しいです。

スタッフに愛された人懐っこさ

瑠李ちゃんはスタッフさんにも好かれるタイプで、当時は所属事務所が違ったんですけど、私の昔のマネージャーさんもDVD の現場で一緒になった時に、

「階戸ちゃん、絶対俺のこと好きだわ……」

とか寝ぼけたこと言っちゃうぐらい、スタッフさんを全員メロメロにしてしまう人懐っこさと気さくさを持った子でした。

でも、色気のある外見と、中身のギャップが強かったですね。

本人は仕事やお金に対しての考え方がサバサバしていて、「絶対に男性に頼らず稼いでやる」っていう気持ちを持った子でした。

私とは仕事に対しての考え方が似ている部分も多く、事務所で終電がくるまでお酒を飲みながら仕事について語り合ったりしました。どうしたらもっと売れるのか、どうしたらもっと収入を得ることができるのかと。

「いつかマンションを買いたい」という話もよくしていて、フラット35について聞かれたりしました。女優としてもっと売れたい、自分の力で買いたいと。

女優さんってブレイクしたらCMの出演料などでたくさん稼げますけど、駆け出しだとドラマの出演料だけではそんなに稼げないので、家賃を払うだけでもいっぱいいっぱいだったと思うんです。それでも、とにかく自立した女性でありたいと強く言う子でしたね。

もっともっと瑠李ちゃんと色んな話がしたかったです。一緒の事務所になって、これからだったのに。

瑠李ちゃんの活躍が、作品が、もっと見たかった。プロ意識が高くて素敵な演技をする女優さん。演じることが本当に大好きで、楽しそうに仕事をする子でした。

大女優を目指した瑠李ちゃんの分まで生きて頑張る

昨年、麻雀仲間だった滝口幸広さんという俳優さんが突発性虚血心不全で亡くなられました。麻雀を教えてくださったり、競馬場に連れて行ってくださったりしていたのですが、34歳の若さで突然亡くなられてしまって。

その時もショックが大きかったのですが、身近な人が急に命を失ってしまう出来事が続いて、怖くて怖くて仕方なくて。瑠李ちゃんが亡くなってからずっと、ご飯を食べてる時や、お風呂に入ってる時、ふとした時に涙が出て来てしまうんです。

瑠李ちゃんに二度と会えないのも辛いし、この先自分が突然死んだらどうしようとか、夫が亡くなったらどうしようとか。親が、友達が……と考え出すとどんどん怖くなってしまって。

瑠李ちゃんにはやりたいことがまだまだいっぱいあって、「結婚生活どんな感じ? いい人を見つけて、いつか結婚したいなあ~~」って言っていたし、きっとこの先そんな未来があったはずなのに。なんでなんだろう、どうしてなんだろうって。まだ若すぎるのに。

いままでは辛いことや悲しいことがあった時に「死にたい」って口から出ちゃうこともあったんですけど、命を無駄にするようなことをしてはダメだと強く思いました。

「絶対に大女優になる!」って言っていた瑠李ちゃんの分も生きなきゃ、もっと仕事をしたかったのにできなかった分まで頑張らなきゃって。

いつ何があるかわからないから、親孝行をちゃんとしようとか、健康診断に行かなくちゃとか、少しでも死の確率を下げるための行動をしようと考えるようになりました。残された者の責任として、生きていかなきゃいけないから。

長生きして、孫に囲まれて、老衰で死にたいです。

推しは推せる時に推しておけ

瑠李ちゃんが亡くなられた時に、東京Lilyさんというグラドルの撮影会やDVDイベントを主催してくださるメーカーさんが、Twitterで「推しは推せるうちに推せ」ってツイートされていて、その通りだなと思いました。

最近、若いタレントさんが亡くなることも多いですよね。いて当たり前の存在だと思っていた推しが、いつまでいるかわからないじゃないですか。それは推しに限らず、親もそうだし友達も恋人もそうなんですけど。大切にできる時に大切にして、たくさん会話して後悔がないようにしたいなと。

いま、事務所のタレントたちも、スタッフさんもみんな沈んでいる状態なんですが、瑠李ちゃんは人一倍プロ意識が高い子だったので、私もそうだし、事務所のみんながずっと暗い顔をしていたら瑠李ちゃんに怒られちゃうだろうなと思うんです。

天国でゆっくり見守れるように、ジースター・プロを引き続き盛り上げていかないといけません。瑠李ちゃんから学んだサービス精神や仕事に対しての真摯な態度を若いタレントにも引き継いでいって、これからも事務所共々頑張っていきたいなと思います。

(撮影/富田恭透 ヘアメイク/萩村千紗子)

倉持由香プロフィール


1991年11月6日生まれ、千葉県出身。血液型B型・サイズT167 B84 W58 H100。
グラビア好きなグラドルがSNSに自画撮りを載せていく「#グラドル自画撮り部」部長。

Twitter @yukakuramoti
・Instagram @yukakuramoti
・オフィシャルブログ
グラビアアイドル初のビジネス書「グラビアアイドルの仕事論 打算と反骨のSNSプロデュース術」が好評発売中!