コロナで外食できないなら自炊の腕を磨こう!参加費1000円前後の「オンライン料理教室」に挑戦してみた - 松崎りえこ
※この記事は2020年07月23日にBLOGOSで公開されたものです
外食が減り、自宅で料理をすることが増えたコロナ禍。料理の腕前がレベルアップしたら、食生活はもっと楽しくなるはず。そう思って、自宅でプロの味を再現できるという触れ込みの「オンライン料理教室」に今回は挑戦しました。
ネットで検索してみると、レッスン料はオンラインフィットネスと比べて少しお高め。1,000~4,000円くらいが相場のようです。本格シェフが教えるものや、高級材料を使うレッスンは1万円以上が多くて驚きました。
レッスン前に、使う材料が送られてくるものもあるんですね。今回は初のオンライン教室ということで、お手軽にできる1,000円前後のレッスンを受けてみます!
(イラスト・文/松崎りえこ)
初のオンライン料理教室…どうしたらいいんだ?
まずは、おかずのレパートリーを増やしたいので「作り置きおかず5品」のレッスンをチョイス。プロフィールを見ると、先生は若い女性のようです。
レッスン前日は、先生からメールで送られてきた材料を調達しに、バイト帰りにスーパーへ。ビーツなど普段はあまり使わない材料もあり、どんな風に使うのかワクワクします。
でもいっぺんに5品も作るなんて、ついていけるのかちょっと不安だなぁ…。そして(カメラの構図って手元を映せばいいの? 自分も入ったほうがいいの?)(材料は先に切っておくべき?)など、次から次へと疑問や不安が湧いてきて、まだレッスン前なのになぜかめちゃくちゃ緊張。
準備完了! あとは寝て待て…からの寝坊!
レッスン当日の朝。キッチンに道具や材料を並べ、開始時間のお昼を待ちます。しかし、ほのぼのした日曜の午前中…気持ち良い気候についウトウトし、うたた寝をしてしまうという痛恨の凡ミス!
起きると開始時間を5分過ぎていたので、急いでスマホを握りしめてキッチンへ。慌ててZoomをつなげるべく、カメラを設置しようとしたそのとき、大事なスマホスタンドを折ってしまいました。ガーン! 今回ビデオはミュートで参加だ…。
入室すると先生は、何事もなかったかのように「今は玉ねぎを薄く切って水にさらしてるところです~」と優しく迎え入れてくれました。寝起きでもすぐに参加できるのは、オンラインのいいところですね!
結構カオスな教室内
人気の先生なのか参加者は40人もいましたが、私も含めほとんどの人がビデオをミュートにしていました。オンにしている人は3~4人で、みなさん料理番組に出てくるような綺麗なキッチン。
中にはお子さんと参加しているママさんもいて、ちょっとほのぼの。…と思ったら、その脇で「せ、先生! 画面が見れませーん! 映りませーん!」とパニックになっている女性も。結構カオスです。
こういうハプニングもオンラインならでは。 オンライン教室の先生って本業のスキル以外に、パソコンやシステムの知識もいるでしょうし、なかなかハードなお仕事ですね…。
手際よくさばいていく、先生の対応力に感心
先生の画面は手元のみを映しており、プロならではの切り方や段取りが見られるので、とてもためになりました。
その都度「キャベツの代わりに白菜を使っていいですか?」「オリーブオイルがなくなっちゃったんですけど」といった難問も生徒から飛び出すのですが、それに淡々と答えていく先生の対応力に感心。
材料を切る時間や混ぜる時間なども、十分に時間をとってくれるので安心です。その際に全員が無言になる雰囲気も、どこかゆったりしていていいですね。YouTubeの動画やTV番組では味わえない感覚です。
みるみるうちに洗い物で溢れていく流し台…
先生が説明するままに進んでいき、次々と料理ができあがっていきます。気づけば流し台は、嵐が通り過ぎたあとのようにぐちゃぐちゃに…。え、もう私そんなに料理作ったっけ? と思ってしまうほどです。
レッスン開始から1時間半が経過。そして最後の一品ができあがりました。
すぐに家族と食べられるのが、オンラインのいいところ!
最終的に、肉団子のスープやマリネなど5品ができあがりました! 手際よくうまく同時進行していけば、短時間でこれだけできるんだなぁ。
レッスンの終わりは結構あっさり。参加者はコメント欄に次々とお礼や感想メッセージを残し、退室していきました。最後までしゃべらない人がほとんどでした。
通うタイプの料理教室と違い、作ったものをすぐに家族と共有できるのもいい点ですよね。私は冷蔵庫に入れてその日の夕飯に出しました。いつも自分で作る料理とは違う、先生の優しい味付け。シンプルなのになんでこんなに美味しくなるんだろう…。
やはりグローバルなAirbnbのオンライン料理教室
空き部屋サイト『Airbnb』でも、オンライン料理教室がたくさん紹介されていることを知り、早速チェック。その中から選んだのは、お客さんに振る舞ったら盛り上がりそうな「飾り寿司のレッスン」です。
こちらは少人数制なので、ビデオオンで参加しました。 私を含め参加者は4人。先生の溝辺英智さんは外国人観光客にも寿司作りを教えているそうで、生徒は私以外全員外国人! スペイン人の女性とアメリカ人の親子だったので、急遽英語も交えてのレッスンになりました。
オンライン瞑想のときも思いましたが、やはり英語がペラペラだと世界が広がりますね。 私ももっと上達せねば! 飾り寿司だけでなく、英会話とスペイン語会話も学べるとはラッキー。反対に海外メンバーは日本語を学びたい人たちだったので、お互い良い機会になりました。
静かなキッチンに戻った瞬間の侘しさよ
先生の真似をしながら酢飯を作ったり、海苔を切ったりします。海外メンバーは“巻き簾“もちゃんと用意していました。よく手に入ったなぁ。
途中、湿気でお米がべとべとして手にくっついて焦る瞬間もありましたが、こちらも先生が冷静に対処法を教えてくれます。切り方のコツも教えてもらい、恐る恐るのり巻きを半分に切るとお花の絵柄が! みんな揃って「ワオ~」と声が漏れました。ここまでで開始から約1時間。
お弁当に入れたら一気に華やかになるし、お正月やお花見にも活躍しそう。先生も「これは映えますよ~!」と満面の笑み。最後は手を振り合ってそれぞれ退室。静かなキッチンに引き戻されました。
時計を見ると夜11時過ぎでしたが、我慢できずそのままお寿司をいただきました。「ゆかり」の酸っぱさが身にしみる…。
通勤の鬼から一言
オンライン料理教室、なかなか面白いです。オンラインの良さがうまく引き出されているように感じました。
まず通いの料理教室と違って、先生に見られているわけではないので、私のように自分のペースで進めたいタイプにはオンラインは合っていると思いました。普段使い慣れている自分のキッチンが使えるのも利点です。
そして、「帰りに、みんなでお茶行きましょう!」と教室の女王的な人に誘われるようなストレスフルな人間関係もないし、教室の帰り道ずーっと同じ電車の人がいて気まずい雰囲気に…なんていうこともありません。料理を学ぶことに集中できます。
さらに、小さなお子さんがいる人も自宅なら安心して参加できます。友達とどこか遊びに行く代わりに、一緒にレッスンを受けるのも面白そうです。