「涙が出そうになるくらい楽しみ」民間人初の月旅行を目指すZOZO前澤友作氏が国内で会見 - BLOGOS編集部

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※この記事は2018年10月10日にBLOGOSで公開されたものです

民間人で世界初となる月の周回旅行を契約したファッション通販サイト「ZOZOTOWN」の運営会社「ZOZO」の前澤友作社長(42)が9日、東京都内の日本外国特派員協会で会見を開き、月旅行に込めた思いを語った。【取材:石川奈津美、撮影:苅部太郎】

会見の冒頭で前澤氏は、「今日は会社の決算説明会でもないですし、事業説明会でもないので、個人・前澤友作として楽しい会見にしたいなと思います。楽しいご質問をぜひお願いします」とあいさつ。

会場からは前澤氏が月旅行を決めたきっかけや、同氏が契約を結んだ米・宇宙ベンチャー「スペースX」のイーロン・マスク氏とのやりとり、交際中で女優の剛力彩芽さんとの話題まで多岐にわたる質問が上がった。

民間人初の月旅行「今から想像するだけで涙が出そうになるくらい楽しみ」

前澤氏は先月17日(現地時間)、「スペースX」が本社を置く米ロサンゼルスで、民間人初となる月周回旅行の契約を同社と結んだことを発表。同時に、アーティストを月に招待するプロジェクト「#dearMoon」を立ち上げた。

前澤氏らは、2023年の打ち上げを目指す同社の大型ロケット「BFR」に乗り込み、1週間かけて月と地球を周回飛行する予定だ。

この発表以来、日本向けに初めて会見したという前澤氏は、

「月に近づくことも、もちろん楽しみなんですが、一番楽しみにしているのは地球を丸く見ることですね。ああ、ほんとに丸かったんだと。

もちろん写真でも皆さんもたくさん見ていると思うんですけど、それを自分の目で見たら、どれほど感動するんだろうというのを今から想像するだけで、涙が出そうになるくらい楽しみにしています」

と、改めて月への切符を手にした思いを熱く語った。

月行きは4、5年前に決まった

前澤氏が夢に掲げるのは「世界平和」。影響を受けたのは、中学・高校といった思春期の頃に聞いていた、パンク・ロックだという。

「音楽はすごい激しい。それなのに皆やっていけば良いじゃない、平和が良いじゃないというような歌詞のバンドがすごく多くて。そういうものに影響を受けました」と振り返る。

会社を起業後もその思いは変わらなかった。そして、その思いがより強固なものとなったのは2001年9月に米・ニューヨークで起きた同時多発テロだったという。

「2001年の同時多発テロを見たときに、自分の思いが固まりましたね。二度とこんなものを見たくない、二度とこんなことが起きない世界をつくるために自分ができることがもし何かあればそれに全力を捧げたいと思いました」。

月へ行くことを前澤氏が決めたのは約4、5年前のことだという。「月に行けるよ、と話を聞いたときに、僕はそこに行くことというより、自分のメッセージを世界中に発信する大きなチャンスだと捉えました。『世界は平和なほうがいいじゃん』と言いたいだけだったんです。

(人類で初めて月面に降り立った)アームストロングさんの『この小さな一歩は人類にとって大きな一歩だ』という言葉は世界中のみなさんが知っていると思います。

『世界は平和なほうがいいじゃん』って(僕は)ライトに言っちゃうと思いますが、それをただ伝えたいだけです」。

月旅行への準備は「英語力」

今後、会社を経営しながら宇宙飛行のためのトレーニングを重ねる。「イーロン・マスクさんからは、トレーニングはそんなに過酷じゃないよとざっくり聞いておりますが、自分自身で英語は必ず必要になるかなと思っています」と語る。

前澤氏は17日に米・ロサンゼルスで行った発表の場でも英語で話したが、そのスピーチ力をめぐってネット上でも話題を呼んでいた。

「英語の勉強はしていますが、みなさんと同じようにスマホのアプリで単語の練習をするぐらい。話さないと聞こえないんだなというのは、自分でも痛感しています。ですので、はずかしがらずに積極的に自分から話したいと思っています。

実はロサンゼルスでの会見も、一部、『日本語でもいいんじゃない』という話もあったんです。けど、恥をしのんで、間違えてもいいから自分でやるということで、あのようにさせてもらいました。

あの会見も英語の面で色んなご意見がありますけれども、恥ずかしくないし、僕は堂々とやりたいなと思います。それが一番英語の学習の力になるんじゃないかと信じています」。

剛力彩芽さんの月旅行の可能性は?

今回の月旅行では前澤氏のほか、アーティストが最大8人同行する予定で、そのメンバーにも注目が集まっている。前澤氏は現状では誰も決まっていないとしつつ、

「ミュージシャンだけじゃなくて、画家さんだったり映画監督だったりファッションデザイナーだったり。分野はまだ決めていないんですけど、とにかく僕の夢は『世界平和』ですので、世界を何らかの形で自分のクリエーションで良くしたいという思いの強い方に声をかけていきたいと思います」「自分がその方の作品を好きというのも大事かなと思います」と、人選のポイントを語る。

交際中の女優・剛力彩芽さんも搭乗する可能性があるのかという質問に対しては、

「ぶっちゃけ『私も行きたいな』と本人は言っていますが、ご存知のとおり、今回は大きなミッションというか、それぞれのアーティストがそれぞれの役割を担って、そしてキュレーターである僕自身もホストとして役割を担っていきますので、ただ楽しんでいく旅行とはやっぱり違うわけです」とプライベート旅行とは分けて考えることを明言。

その上で、「彼女にも何らかの役割やミッションがあって、それをすべての船員たちが受け入れてくれるのであれば、彼女にも行くチャンスがあるんじゃないかなと思っています」と話した。

今後トレーニングを重ね、安全面などに考慮しつつ、5年後の打ち上げに向け徐々に準備を進める前澤氏。

「宇宙に何があるのか正直僕も分からないですし、それが人類にとってどういう役割を担うのかというのも、まだよくわかっていません。

でも、まだ人が知らないこと、未知な領域に人が果敢にチャレンジしていくという姿勢は宇宙であれ、深い海の底であれ、同じことなのかなと思います。チャレンジするという姿勢を見せるということを誇りに思っています」と語った。