※この記事は2018年08月30日にBLOGOSで公開されたものです

国民民主党の代表選(9月4日投開票)に立候補した津村啓介衆院議員と玉木雄一郎共同代表が今月29日、東京都内の日本外国特派員協会で記者会見を開き、代表選に向けた自らの政策や、「支持率0%」とされる党勢低迷の打開策について語った。

津村氏「政治的タブーの打破」を目指す

津村氏が掲げるのは「政治的タブーの打破」だ。尊厳死や安楽死の合法化の議論を始めるとともに、不妊治療の保険適用拡大、同性パートナーシップ支援策を国として法制化しパートナー間の相続を可能にすることなどを目指す。

またこの日、津村氏は新たな経済政策の目玉として、外国人労働者の受け入れを年間100万人まで増やすことを提案。ビザの発給を受け長期滞在が認められる外国人に対しては二親等までの扶養家族の呼び寄せを認め、国内消費拡大を図るとした。津村氏は「近年の政策は全要素生産性を上げるためのイノベーションを強調するが、労働投入の拡大ということもこれからの日本の経済成長に欠かせない要素」と説明する。

玉木氏 独自政策「コドモノミクス」提唱

玉木氏は9月20日に投開票が行われる自民党総裁選に立候補した安倍総理と石破氏がともに世襲議員であり60代であることに触れ、「我々2人はまだ40代。この違いは大きい」と党の若さをアピール。また、安倍政権が取り組む「アベノミクス」に対しては「好景気は見せかけであり一時的。アメリカの経済に支えられている他力本願だ」と批判した。

玉木氏がアベノミクスに対抗する経済政策として強調するのが「コドモノミクス」と名づけた独自政策だ。国内で生まれる子供が年間約100万人であるのに対し第三子以上は約16万人に留まり、その理由の多くが「経済的な負担」であることを指摘。第三子以降を持った家庭に1000万円を給付することを提案した。玉木氏は「今日本が必要なのは、人へ、未来へ投資することだ」と訴える。

支持率「0%」

一方、各社の世論調査で同党の支持率は軒並み0%と低迷しており、会場では記者から打開策について質問が上がった。

この質問について、津村氏は今月26、27日に全国の新聞に掲載された同党の広告を紹介。

「全国に何億円かけてこれだけの全面広告を打っているにもかかわらず、ここには何も政策がかかれておらず、地元の自治体議員の写真は載っていない。政策を語ることもなく、地域に根ざさない政党が支持を得られるとはとても思えない」と批判した。

その上で津村氏は、党の自治体議員に100万円を上限とする選挙支援を行っていくとし、「党中央が画一的なデザインで押し付ける実態のない広告ではなく、500人を超える地方議員のみなさんが自由に党の政策と自分の名前、活動ぶりを広報できる費用を積み増していく」と訴えた。

玉木氏はメディア戦略を重視。若年層には自民党の支持者が多く「40歳以下に支持される野党がない」とし、党内にSNS対策本部を設け、ネットメディアでの広報戦略に力を入れるとした。また、党の強みを全国に地方組織があることとし、「各地域で具体的な目に見える形の活動を行っていく」とした。

後半戦をいかに盛り上げるのか

代表選まで1週間を切った。後半戦をどのように戦っていくのかというBLOGOSの質問に対し、津村氏は「注目しているのは勝敗ももちろんだが投票率。党員サポーター、自治体議員の投票率が上がるような代表選ができるかどうかがミッションであり意識している。全国を回りながら全国の自治体議員と支援者の皆さんを鼓舞したい」と話した。

玉木氏は、この日の午前中にLGBTの当事者たちと同性婚について討論したことを明かし「いま自民党の総裁選挙で、こんな議論をすることはない。安倍総理は、国会での議論からも、党内の総裁選挙での石破さんとの議論からも逃げている」と自民党と安倍首相を批判。「我々は、これだけオープンで、時に喧嘩をするような激しさで政策議論することを国民のみなさんに見ていただく。私はそれが民主主義の原点だと思っている」と話した。