「もう麻原教祖に依存するのは終わりにしませんか」死刑執行後に麻原四女が信者らに呼びかけ - BLOGOS編集部
※この記事は2018年07月10日にBLOGOSで公開されたものです
7月6日に死刑が執行された松本智津夫(麻原彰晃)元死刑囚の四女が、代理人である滝本太郎弁護士のブログを通じて、死刑執行後の思いを公表した。
滝本弁護士は、「ご本人にコメント出しますか、と電話で聞いて、少し考えてメールで送られてきたものです。このままアップして良いとのこと」と追記し、以下のコメントを掲載している。
信者らに「早く夢から覚めてほしいと願っています」
「四女松本聡香さんより」
私の実父松本智津夫が多大な迷惑をおかけした被害者の方、ご遺族の方、信者のご家族、元信者の方、刑務官の方、そして世間の皆さまに改めて深くお詫び申し上げます。
死刑が執行されたことにより被害者の方、ご遺族の方が少しでも心安らかな日々を取り戻せることを心より祈っております。
松本死刑囚は一度の死刑では足りないほどの罪を重ねましたが、彼を知る人間の一人として今はその死を悼みたいと思います。
執行はされるべきものでしたが、ただひとつとても残念に思うのはかつての弟子であった元幹部まで6人も執行されたことです。宗教的な理由においても、責任の重さにおいても、今日の執行は教祖一人でないといけなかったと思います。洗脳されて事件に関与してしまった元幹部の執行の是非はもっと議論され熟慮のうえでないと社会に課題を残してしまうのではないかと心配です。
まだ信仰を続けている信者には、これ以上松本死刑囚の罪を増やさないようにどうか後追いなどしないで、早く夢から覚めてほしいと願っています。
http://sky.ap.teacup.com/takitaro/2298.html
”遺体受け入れ”は実父の最後のメッセージ
また、9日にも四女は滝本弁護士のブログにコメントを寄せた。「信者さんらへ」と題したブログでは、松本元死刑囚の遺体引き渡しを受け入れる意向であることを示した。松本元死刑囚は、死刑執行前に自身の遺体の引き取り先として四女を指定していたとされている。
「信者さんらへ」
大雨の被害で亡くなられる方がいる中、実父が最後の最後まで世間をお騒がせしていることを心苦しく思っております。本当に申し訳ございません。
松本元死刑囚の最後の言葉の件につきましては、指名を受けた私自身が大変驚きました。しかし、それは実父の最後のメッセージなのではないかと受け入れることにします。(メディア問い合わせで補充「当面、東京拘置所保管」を前提にて)
捏造などではあり得ません。現に聖人化される恐れがあっても遠藤元死刑囚の遺体は教団に渡りました。
私は自分が他の親族に比べて実父から愛されたとは最後の言葉を踏まえても思いません。ですが、かなり信頼してくれていたのかもしれないというのは思い当たる節があります。実は知る限り彼と最後に接見できたのは私だったからです。
松本元死刑囚はおそらく最後は一人の人として葬られたいのだと思います。
私には自分の過去の体験を振り返ると少し彼の気持ちが分かります。信者から神と崇められ、世間から悪魔と憎まれる人生というのはつらかったのではないでしょうか。誰も人として温情をかけてくれないわけですから。
今、実母と、長女以外の姉弟と、信者たちに言いたいことがあります。
どうか松本元死刑囚の最後の意向を尊重してやっていただけませんか。彼は自分で始めたことの幕引きをもはや一人ではできなくなってしまったのです。自分の真意を伝えるのが苦手なのもあると思いますが、あまりに事が大きくなりすぎました。
もう麻原教祖に依存するのは終わりにしませんか。支配されるのは終わりにしませんか。松本元死刑囚のためでもあり、また信者も一人一人の人生を生きるためにです。
実父はもう麻原彰晃ではありません。
その荷を死と共に降ろしたいと願った松本智津夫という一人の人間でした。
松本元死刑囚の罪を増やさないためにも、ご自分が人生をこれ以上台無しにしないためにも報復テロや奪還テロなど絶対にやめてください。今まで松本元死刑囚に従ってきても、これからを彼と心中する必要はないんです。
彼のためには彼を崇めるのではなく、たくさんの人を傷付けてしまった彼の霊がいつか救われるよう祈ってあげることではないでしょうか。
もうオウムを終わりにしませんか。社会を憎むのは終わりにしませんか。そして、改めて自分の人生を始めてみませんか。
残された者が生きて自分と周りを幸せにするのが死者への最大の供養になるはずです。
どうかお願いします。
http://sky.ap.teacup.com/takitaro/2305.html
さらに滝本弁護士は追記として、死刑執行後には四女と東京拘置所を訪れ、遺体は松本智津夫本人だと確認したと報告。
信者さんらへ
7月7日、東京拘置所にて死刑執行後の遺骸と対面してきました。遺骸は間違いなく「松本智津夫、1955年3月2日生」本人でした。四女さんとともに確認してきました。
いろいろ聞いていくと、本人は「松本智津夫」として亡くなりたかったのだろうなぁ、と思います。「麻原彰晃」という存在は元々なかったのだろうなぁ、それも幻影だったんだ、とお伝えします。
2018.7.9.20:53
友人の坂本一家がいなくなった1989年11月以来、皆様と、実にまあ色々となんとも深い縁があった弁護士滝本太郎より。