Googleの開発者向けイベント「Google I/O 2022」で、Googleマップに新機能として「没入型ビュー」が追加される予定であることや、ナビ機能での環境に配慮したルート選択機能の改善、「ライブビュー」のAPI無償提供などが発表されました。

Immersive view coming soon to Maps - plus more updates

https://blog.google/products/maps/three-maps-updates-io-2022/



◆「没入型ビュー」

初めて行く場所への行き方を調べるとき、地図上の位置だけではなく周辺の様子も見られるGoogleマップのストリートビューは非常に役立ちますが、この体験をさらに改善し「足を踏み入れなくても現地の感覚が味わえる」というところまで引き上げるのが「没入型ビュー」です。以下のツイートの埋め込み動画が端的にわかりやすいものとなっています。



ロンドンにあるレストラン「シナモン・クラブ」をGoogleマップでアップにしたときの見下ろしビューで見ている状態。



そのまま目線がシームレスに下りていき……



店の前へ。



さらに開いている扉から中へ。



店の中をまるで浮遊しているように奥へ進み……



ホールへ。ストリートビューをさらに滑らかに動かしている感じです。



時間帯や天気による現地の様子の違いも容易にチェックできます。



この「没入型ビュー」はほぼすべての端末で動作する機能で、2022年後半からロサンゼルス、ロンドン、ニューヨーク、サンフランシスコ、東京を対象に展開。さらに多くの都市で展開が予定されています。

◆「環境に優しいルート設定」の拡大

「環境に優しいルート設定」は、観光地をより簡単に訪れられるようにするだけではなく、より「持続可能な方法」で訪れられるようにサポートする機能で、最も燃費の良いルートを表示・選択できるもの。この「環境に優しいルート設定」により、アメリカとカナダで1400億km弱の距離短縮と推定50万トン以上の二酸化炭素排出量削減に貢献したとのこと。

今後、ヨーロッパなどでの展開により、さらに数字は倍増する見込みとなっています。



◆「ライブビュー」を外部アプリで使えるAPIの無償提供

Googleマップアプリには、実際の周辺の風景を見ながら目的地を見つけて経路を確認できる「ライブビュー」機能があります。現実の風景に矢印や道案内が表示されるため、わかりにくい場所への移動が容易になります。

今回、Googleマップの便利さをさらに多くの人に届ける取り組みの一環として、ライブビューの技術を新たな「ARCore Geospatial API」によって開発者に無償で提供することが発表されました。

すでにEVシェアサービス・Limeがロンドンなどの複数の都市でAPIを試験的に導入して電動バイクや電動スクーターの安全な駐車の支援に用いているほか、通信会社テルストラとコンサルティング会社アクセンチュアはオーストラリア・メルボルンのマーベルスタジアムで、スポーツイベントやコンサートの来場者の座席や売店、トレイへの誘導に活用しており、NTTドコモとcuriosityは東京の町並みの中でドラゴン退治をするゲームを構築しているとのことです。