心も体も変わる50代からの過ごし方について考えてみませんか? 「家族のためにがんばる時間は終わり。50代からは自分の心と体をゆるめます」というのは、エッセイスト・カウンセラーの若松美穂さん。料理や掃除、子どもや親との関わり方について教えていただきました。

家族のためにがんばる時間は終わり。50代からは自分の心と体をゆるめる

子育て期間は、睡眠不足でもすることが山積みでも「しなくちゃ」に追われ、いくらでもがんばることができました。体力もありましたしね。でも娘たちが成長した今は、自分の体調や時間と相談し「しすぎない」がテーマです。

<写真>77歳の母にも「できる限り、ご自分でお願いします」

●1:「ここまででいい・それでいい」と自分を許す

子育て真っ只中の頃よりは確実に、仕事時間が増えています。
やっと訪れた自分をメインに考えてもいい時期が来たのだから、今を満喫したい! 病気や介護などで、この先も仕事を続けることができるとは限らないのですもの。

自分に与えられた24時間が変わらないのであれば、意識して家族への時間や家事の分量を減らす必要があります。そうしないと、疲れや気持ちの負担が増えていきます。
結果、自分の不調やイライラに結びついたら、一緒にいる家族も大変です。

掃除・整理整頓・料理など、すべての家事に終わりはなく、しようと思えばいくらでも手をかけることができます。今の私は「ここまででいい・それでいい」と自分に声をかけ、許すことにしています。もう充分にやってきましたから。
ほかの人から見てどうであれ、わが家族が困っていなければそれでいい。

もし、なにかたりないと感じる部分があったとしても、わが家の場合、皆が、自分のことは自分でできますから、それぞれにお任せ&お願いしています。

以前の家事記事2つはまさにそれ!

たとえば毎日のごはん。切るだけ、焼いて並べるだけですが、野菜たっぷり&彩りが豊かだと家族は大満足!

●2:子だけでではなく、親にも手をかけすぎない

30歳から40歳までの10年間。介護施設にお世話になった祖母の担当は私でした。
年を重ねれば、人のお世話になる時期はだれにでもやってきます。あのとき同様、なにかあればできることはしようと思います。でも、今、私の母は元気です。

もともとは車生活がメインの田舎で暮らしていたので、以前はなにかあれば私頼みでしたが、徐々に「できる限り、ご自分でお願いします」を定着させていきました。
それは冷たさではなく、77歳の母が、自分の体と頭・心を動かす理由にもなります。
ありがたいことに、今の母は一人時間を上手に楽しみ、私たち家族を助けてくれる存在にもなっています。

●3:「しすぎる」にブレーキをかける

寝る・食べる・飲む・運動する・考える・話す・情報を集めるなどの行動。
体に必要なこと、暮らしに必要なことは不足すると困るのはもちろんですが、逆にしすぎると悪影響が生まれる場合も。
そのときの自分にとっての適性を知り、心地よく暮らすことができるといいなと思っています。私は子育てが落ち着いたら、睡眠時間が以前より長くなりました。悩む・考える時間も格段に減りました。

今の私が大切にしているのは、「家族のためにがんばること」ではなく、仕事を楽しみつつ、「自分の心と体をゆるめ・ゆとりを持つこと」です。