最近、いつもの自分の髪型がなんだかしっくりこなくなってきたと感じることはありませんか? 「髪型も年齢によって似合うものが変わるんです」と話すのは、女性の髪問題に詳しいヘアライター佐藤友美(さとゆみ)さんと、人気ヘアサロンMINXのディレクター八木花子(八木ちゃん)さん。 今回は、年齢に合った髪型の選び方について教えてもらいました。

50代から髪型迷子に…年齢で変わる「似合う髪」の見つけ方

さとゆみ:今日は、編集部に届くお悩みにお答えできたらと思います。読者の皆さんからの声で「50歳前後で髪型迷子になってしまった」という声が多いんだそうです。私たちも、そういったお悩みを、よく聞きますよね。

八木ちゃん:これ、髪型だけじゃなくて、お洋服やメイクもそうだったりしますね。

さとゆみ:なんかしっくりこない、となるんですよね。

八木ちゃん:お洋服だと、体重が変わらなくても体型が変わって似合うものが変化したりしますよね。髪も同じなんです。顔の形が変わってきたり、輪郭がぼやけてきたり、髪の量が減ってきたりすると、似合う髪型も変わってきます。

以前は剛毛だった人も、髪が柔らかく細くなると、同じ髪型でもだいぶシルエットが変わります。今の自分の髪質や顔型を知ることも大事ですね。

 

●あれもこれも、ではなく、なにを優先したいかを考える

さとゆみ:いろいろしっくりこないときは、どんなことに気をつけて髪型を選べばいいでしょうか。

八木ちゃん:私がお客さまによく聞くのは、「なにを優先されたいですか?」 という質問です。

「毎日の扱いやすさを重要視する」でもいいですし、「多少時間がかかっても巻き髪をしたい」でもいいですし、イベントごとがあるならそのイベントに合わせたヘアスタイルでもいいと思います。

いずれにしても、「自分の気持ちにぴったりくるヘアスタイル」の中で、「見た目」×「お手入れの仕方」×「普段のスタイリング方法」を掛け合わせて優先順位を考えるのがいいですね。

さとゆみ:「自分の気持ちにぴったりくるヘアスタイル」に関しては、以前この連載でもお話ししましたよね。ただ、顔型や髪質に似合うだけではなく、自分がどんな雰囲気にしたいのか。

 

同じボブを選んでも、かわいらしく若々しいボブと、クールでかっこいいボブは全然切り方が違います。お洋服に例えると、レースや花柄、パステルカラーといったかわいらしいものが好きなのか、モノトーンやレザーみたいなかっこいいものが好きなのか。そういうところから考えてもいいかもしれません。

八木ちゃん:「どんな雰囲気に見せたいのか」は、ぜひお伝えいただきたい部分です。それによって、提案するスタイルもかわりますし「なんかしっくりこない」を防ぐことができると思います。

●大人のロングヘアはレイヤーが重要

さとゆみ:具体的に、50歳前後になったら気にした方がいい髪のポイントってありますか?

八木ちゃん:ロングヘアの人であれば、軽くしすぎない方がいいと思います。髪をすきすぎると、どうしてもパサついて見えたり、貧相に見えたりしがちなんですよね。

かといって、切りっぱなしの髪型だと、ふんわりとした動きが出にくいので、それはそれで扱いが難しかったりします。

量は減らさずに、でもある程度レイヤー(段)を入れたスタイルが、大人女性のロングヘアにはよいと思います。

さとゆみ:あと、後頭部をふんわりさせたいですよね。これまでも何度か取り上げていますが、後頭部にボリュームがあると、若々しく華やかに見えます。

八木ちゃん:後頭部にボリュームを出すときにも、レイヤーが必要です。短めヘアの方が髪に重さがないので、後頭部のボリュームは出しやすいですが、ロングヘアでもレイヤーを入れたり、パーマをかけたりすると、ボリュームがでやすくなりますよ。

 

●前髪のつくり方を意識して顔周り毛のうねりを防ぐ

さとゆみ:顔周りの毛がうねりやすくなるのも、この世代の悩みで多いですよね。

八木ちゃん:そうなんです。髪質が変わると、顔周りの毛が細くなったりクセが出やすくなったりするので、疲れた印象になりやすいんです。

さとゆみ:何か対処法はありますか?

八木ちゃん:前髪のつくり方を意識するといいかもしれません。いま、薄めの前髪が流行っていますが、夏になると湿度があがってうねりやすくなるので、前髪を厚めにしたり、流せるようにした方が楽です。

 

●髪型はヘアカタログだけで選ばなくていい

さとゆみ:美容院でのオーダーのコツは?

八木ちゃん;普段から好きな髪型や気になった髪型をピックアップするクセをつけていただくといいと思います。ヘアカタログだと、どうしても自分の年代のスタイルが限られているという方もいらっしゃいますが、髪型はヘアカタログだけで選ばなくていいんですよ。

ファッション誌でもいいですし、ドラマでもCMでも、街いく人でも。「こういう髪型になりたい」と思うスタイルを、普段からチェックしてみてください。その写真を美容師に見せてくれたら、ヘアスタイルのイメージもわきやすく、しっくりくる髪に出合いやすいと思います。

さとゆみ:40代、50代の方からよく聞くのが「子どもや家族のお世話が忙しくて、なかなか自分自身を振り返る時間がない」というもの。でも、よいヘアスタイルは「自分がどんな自分になりたいか」を考えることで見つかるものです。

ぜひ、自分のなりたい姿をイメージする時間をとってくださいね。