演壇を占拠する国民党の立法委員

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(台北中央社)立法院(国会)で16日、福島など5県産食品の輸入解禁を決めた行政命令の審査で与野党が激しい応酬を交わした。5県産食品の輸入解禁に反対の姿勢を示す最大野党・国民党の立法委員(国会議員)は審査が始まる前、演壇を占拠。陳時中(ちんじちゅう)衛生福利部長(保健相)を取り囲み、議事を妨害した。

国民党は、行政命令の審査を行う前に公聴会を開くべきだと主張。陳部長は座って国民党議員の詰問に応じていたが、同党の鄭麗文(ていれいぶん)立法委員が、新型コロナウイルスで800人余りが亡くなった上、福島食品の輸入まで解禁するのかなどと声を荒らげると、立ち上がり反論。「こじつけを言うべきではない」と語気を強めた。

この後、協議の結果、審査に入る前に公聴会を実施することで与野党は合意した。

政府は先月21日、2011年の東京電力福島第1原子力発電所事故から続けてきた福島、茨城、栃木、群馬、千葉の5県産食品の輸入禁止措置を原則解除した。

(郭建伸、王承中/編集:楊千慧)