授業が早めに終わったある日、「残りの時間で、渡辺さんにモノマネをしてもらいましょう」って先生が無茶振りをしてきて。私が普段からモノマネをしているなんてクラスのほとんどは知らないし、求めていない子もいたんですよね。そんななかでドキドキしながらモノマネを披露したら、すっごくウケたんです! みんなに笑ってもらえたことが嬉しくて、それが自信になって、芸人になることを決意しました。

そこから、直美さんは夢に向かって一直線に歩みを進める。中学卒業後、15歳でアルバイトをスタート。高校受験に落ちたことを引きずらず、夢のために頭をすぐに切り替えた。

渡辺:3つの高校を受けたのに、ぜんぶ落ちちゃって。「落ちたなら仕方ない、働かなきゃ」と思って、受験に落ちたその日にバイト先に連絡をして、次の週から働き始めました。18歳になったらNSC(吉本工業の芸人養成所、吉本総合芸能学院)に通って芸人になることは決めていたし、そのためにやるべきことは何だろうって考えたんです。

見事芸人の道を進み、ビヨンセのモノマネでブレイク。その後、26歳でニューヨークへ短期留学。34歳の今年、日本で多くのレギュラー仕事を抱えるなか、世界で活躍するために拠点をニューヨークに移した。挫折にも前向きに立ち向かい、潔く決断できるのは、どうしてなのだろうか。

渡辺:大きな目標があるとしたら、それを達成するために逆算して考えるようにしています。そうすると、いろんなパターンが思い浮かぶじゃないですか。

私は努力するのが苦手なタイプだけど、一度の失敗では折れない。やってみて、選んだパターンがうまくいかなかったら別のパターンを試してみる。それを繰り返していたら、ちょっとずつでも前に進むんです。一回できなくても諦めないで、とりあえずやってみて、自分に合う方法を探すようにしています。

■無理してポジティブにならなくていい。ネガティブな自分を抱きしめてあげてほしい

根はネガティブだが、前向きな考え方に転換する努力をしている直美さん。10代の参加者から「自分の考えすぎてしまう性格に悩んでいる」というお悩みが寄せられ、ネガティブな自分とどう対峙してきたのか、直美さんは自身のこれまでを振り返った。

渡辺:自信をつけよう、ポジティブになろうっていうメッセージをよく聞くけど、前向きになるためには、とにかく挑戦してみて、成功や失敗を経験することがとても大事だと思っています。