新庄剛志監督(写真: アフロ)

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日本ハム・新庄剛志監督が、開幕投手について「本当に横一線。外国人かもしれないし去年まで2軍の子かもしれないし、育成の子かもしれない」と語った。2021年12月19日のインスタライブでの発言だ。

実力だけを考えれば、開幕投手はエースの上沢直之か、新人の今季10勝をマークした伊藤大海だろう。ただ、ペナントレースは長い。開幕戦を「143分の1試合に過ぎない」と考えるならば、違う選択肢も生まれる。

あえてのエース回避も視野に?

来季の開幕戦はソフトバンク戦。球界を代表する右腕・千賀滉大が登板する可能性が高い。打ち崩すのが至難な状況で投手戦が予想される。上沢、伊藤を登板させるべきか。

「開幕戦は独特の緊張感に包まれる。そこで吉田輝星とか無名の若手など怖いものなしの投手を投げさせて、千賀相手に金星を上げれば盛り上がる。負けても上沢、伊藤を回避しているのでダメージは少ない。新庄監督の発言で思い出すのは元中日の落合博満監督です。

就任1年目の04年にリーグ優勝を達成したが、開幕戦では3年間一軍登板のなかった川崎憲次郎を開幕投手に起用している。川崎は5失点で降板したが逆転勝ち。開幕最有力候補だったエースの川上憲伸は3戦目に登板し、その後の先発ローテーションでエース同士の対決を避けられるため白星を積み重ねた。新庄監督も長期的視点に立ち、上沢、伊藤を2戦目以降に回す可能性が十分に考えられる」(スポーツ紙記者)

「どんな采配をしてくるか分からない」

川上は同年に27試合登板で17勝7敗、防御率3.32で最多勝、MVP、沢村賞など計9つのタイトルを獲得。防御率は3点台と目を見張るほど良いわけではないが、相手先発との力関係が白星量産に大きく影響した。

落合元監督は「どんな采配をしてくるか分からない」と他球団から恐れられた。新庄監督はどんな策を講じるか。開幕投手で目指す野球の一端が見えるかもしれない。(中町顕吾)