２０１４年、認可外保育施設で宿泊保育中に死亡した子どもの両親が施設と施設を監督する立場にある宇都宮市に対して損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決について、市は２１日、東京高裁が一審の判決を支持し市側・両親側双方の控訴を棄却した判決を受け入れ上告しない方針を示しました。

訴訟は２０１４年、宇都宮市の認可外保育施設「といず」で当時９ヵ月だった山口 愛美利ちゃんが死亡し、両親が施設側と宇都宮市におよそ１億１４００万円の損害賠償を求めたものです。

去年６月の一審判決では市が抜き打ちの立ち入り調査を怠ったのは義務違反で愛美利ちゃんの死亡と因果関係があると判断。

市と施設側に合わせておよそ６３００万円の支払いを命じましたが、判決内容を不服とした市と両親側の双方が控訴していました。

１５日の二審で東京高裁が一審の判決を支持し双方の控訴を棄却したことを受け市は２１日、議員協議会の場でこの控訴審判決を受け入れる方針を示しました。

上告しない理由について市は「控訴理由としていた判決内容の不明確な点がより明確になったことに加え、一審の判決が支持された結果を重く受け止めた」としています。

市は今後、外部の有識者で構成する検証委員会で再発防止策を検討するほか、施設への指導監督権限の強化に向けて国に対し働きかけを行う方針です。