【戸塚啓コラム】中国戦は日本サッカーのターニングポイントかもしれない
このチームは「カタールW杯で過去最高の成績」を目ざしている。世界のベスト8入りというターゲットに照らし合わせると、オマーンに0対1で敗れ、中国を辛うじて退けた現状は、まるで満足できないことになる。
他方、この試合をのちに振り返ると、日本サッカー界にとってターニングポイントになったと位置づけられるかもしれない。
久保建英が出色のパフォーマンスを披露したからだ。
東京五輪で全6試合に先発出場し、新天地マジョルカでもスタメンに名を連ねているから、久保がトップ下で起用されることに驚きはなかった。オマーン戦に敗れていたことを踏まえれば、むしろ当然のこととして受け止められただろう。
1対0でリードした終盤には、サイドで時間を使いながら相手のスキを見逃さず、決定機につながるパスを通した。この日の攻撃は、久保抜きには成立しなかった。
同じような試合が、20年以上前にあった。
1997年5月21日、中田英寿が日本代表デビューを飾った。直前のフランスW杯1次予選を全勝で突破した加茂周監督は、「最終予選突破には戦力の上乗せが必要」と話し、中田をテストしたのだった。
この試合で堂々たるパフォーマンスを見せた中田は、代表のレギュラーに定着することになる。最終予選を経て、日本サッカー新たなシンボルとなったのだった。
2021年9月7日の中国戦は、久保が日本代表の中心となるきっかけだった──1年後、5年後、10年後に、そんな認識が広がっているかもしれない。
関連情報(BiZ PAGE+)

1968年生まれ。'91年から'98年まで『サッカーダイジェスト』編集部に所属。'98年秋よりフリーに。2000年3月より、日本代表の国際Aマッチを連続して取材している
