うつっぽくなりやすい人の傾向とは?今すぐできる対処法
新型コロナウイルスの流行が続くなか、落ち込み、うつっぽさなどの「心の不調」を感じていませんか? ここでは、うつっぽさのセルフチェックシートとともに、精神科医、うつのメンタルコーチのアドバイスをご紹介します。自分の心のケアの参考にしてみてくださいね。
※写真はイメージです。
「うつっぽさ」を抱えることはだれでもあるものですが、長引けば症状が悪化することも。「おかしいな」と感じたら、まずはセルフチェックを!
<うつ病チェックシート>
今、あなたに当てはまる、もしくは近い症状を抱えていないかチェックしてみてください。
□気分が落ち込んでいる(1)
□物事に興味がない、楽しめない(2)
□集中力や注意力が散漫だ
□人生の負け組だと気に病む
□自分には価値がないと思う
□将来に対して悲観的だ
□消えてしまいたいと思う
□眠れない、夜中に目が覚める
□食欲がない
・1つは当てはまるものの、症状が毎日続かず、日常生活が送れている。 ⇒ STEP2へ
・1つでも当てはまり、症状がほぼ毎日2週間以上続き、日常生活にも影響がある。⇒ 医療機関への受診を考えて
【2週間以上、うつっぽさが消えない人は医師に相談!】
「一般的に上のチェックシートの(1)と(2)に加え、以降の症状のうち5つが2週間継続している状態であれば、うつ病と診断されますが、それに満たなくても継続している症状があれば抑うつ状態として治療が必要です」(奥田先生)
重度になると、朝になっても起き上がれないなど、日常生活に支障が出ることも。
「すべての病気は早期発見、早期対処が原則。症状が悪化する前にストレスの原因から離れ、病院へ。もし、心療内科のハードルが高く感じるなら、かかりつけの内科でもいいので『おかしいな』と思ったら早めに相談をしましょう」
病院へ行くまででもないけど、心が落ち込み晴れない…。そんなときは、うつメンタルコーチ提案の方法で、心を軽くして。
うつっぽくなりやすい人は、ある傾向があると、うつ専門メンタルコーチの川本義巳さん。
「うつになりやすい人は、落ち込んでいる今の状態はよくない、ポジティブであるべきと自分を追い込みがち。一見いいことのようですが、じつは逆効果。
この思考を繰り返すなかで、ダメな自分をイメージする能力を筋トレのように鍛えてしまい、うつっぽくなりやすい状況を自分でつくり上げてしまうのです。また、うつの原因を追究するのも得策ではないもの。
なぜなら原因は複合的で、追究しても解決するとは限らないからです。大切なのは、ネガティブ思考をストップし、今ここにいる自分は、どうしたいかを考えることです」
その方法として川本さんが推奨する方法が「メンタル・リセット・プログラム」。
「道具も使わず、1回わずか3分でできます。やる気が出ないときは、(1)のネガティブをやめる、だけでもOKです。うつっぽくなったときに取り入れてみて」
まず、下準備をしよう。
・できることリストをつくる
自分ができることを紙に書きます。「朝、起きられる」「歯をみがける」「駅まで歩ける」「散歩に行ける」など、どんな些細なことでもOK! 質より量を目指して最低30個書き出しましょう。
・好きなことリストをつくる
好きなもの(もち物、食べ物など)、好きなこと(趣味など)、好きな人(芸能人や架空の人でもOK)、好きな場所(旅行先、行きたいところ)を、できるだけ具体的に紙に書きます。
(1) ネガティブをやめる
ネガティブをやめるには、呼吸を整えて、今いる場所で五感を研ぎ澄ませます。なぜならネガティブ思考は、起こってない「未来」と、過ぎ去った「過去」に向きがちだから。
「今」に向いていない思考を、体がある「今」に戻すことで、思考がネガティブな方向にいくのをやめさせます。
・ネガティブをやめるためにはこれをすればよい!
□呼吸を整える
□目線を上げ、今ある場所の細かいディテールを観察する
□耳で聞こえている音や声を捉えていく
□体で感じている感覚、体内で起こっている感覚も捉える
(2) ポジティブを増やす
ネガティブな思考から離れたら、下準備のリストを活用してポジティブを増やしましょう。
「できること」の項目を見て安心したら、「好きなこと」の項目を見てワクワクしてみて。できることは、なるべく実行に移すと「どうせ無理」の考えが打ち消されて、メンタルが安定します。
(3) 思考のクセを変える
ネガティブ→ポジティブに変換して、思考のクセを変えましょう。
紙に自分の欠点と、それをプラスに言い換えた言葉を書き(たとえば「気が弱い」なら「思いやりがある」など)、それを見ながら「私は気が弱い…いや違う! 思いやりがある」と自分に言い聞かせます。
<イラスト/キリ 取材・文/ESSE編集部>
●【教えてくれた人】
コーチングに出合いうつ病を克服したのを機に、うつ専門のプロコーチに転身。9年で1万人以上の相談、指導を行う。著書に『1日3分でうつをやめる。
』(扶桑社刊)
●【教えてくれた人】
医師。産業医、精神科医として都内の企業で働く人のストレスケアに携わる傍ら、作家として書籍など多数執筆。近著に『心に折り合いをつけてうまいことやる習慣
』(すばる舎刊・共著)
※写真はイメージです。
「心の不調」を放っておかない!セルフチェック&改善メソッド
「うつっぽさ」を抱えることはだれでもあるものですが、長引けば症状が悪化することも。「おかしいな」と感じたら、まずはセルフチェックを!
●STEP1:うつっぽさをセルフチェック
<うつ病チェックシート>
今、あなたに当てはまる、もしくは近い症状を抱えていないかチェックしてみてください。
□気分が落ち込んでいる(1)
□物事に興味がない、楽しめない(2)
□集中力や注意力が散漫だ
□人生の負け組だと気に病む
□自分には価値がないと思う
□将来に対して悲観的だ
□消えてしまいたいと思う
□眠れない、夜中に目が覚める
□食欲がない
・1つは当てはまるものの、症状が毎日続かず、日常生活が送れている。 ⇒ STEP2へ
・1つでも当てはまり、症状がほぼ毎日2週間以上続き、日常生活にも影響がある。⇒ 医療機関への受診を考えて
【2週間以上、うつっぽさが消えない人は医師に相談!】
「一般的に上のチェックシートの(1)と(2)に加え、以降の症状のうち5つが2週間継続している状態であれば、うつ病と診断されますが、それに満たなくても継続している症状があれば抑うつ状態として治療が必要です」(奥田先生)
重度になると、朝になっても起き上がれないなど、日常生活に支障が出ることも。
「すべての病気は早期発見、早期対処が原則。症状が悪化する前にストレスの原因から離れ、病院へ。もし、心療内科のハードルが高く感じるなら、かかりつけの内科でもいいので『おかしいな』と思ったら早めに相談をしましょう」
●STEP2:うつっぽさをリセット
病院へ行くまででもないけど、心が落ち込み晴れない…。そんなときは、うつメンタルコーチ提案の方法で、心を軽くして。
うつっぽくなりやすい人は、ある傾向があると、うつ専門メンタルコーチの川本義巳さん。
「うつになりやすい人は、落ち込んでいる今の状態はよくない、ポジティブであるべきと自分を追い込みがち。一見いいことのようですが、じつは逆効果。
この思考を繰り返すなかで、ダメな自分をイメージする能力を筋トレのように鍛えてしまい、うつっぽくなりやすい状況を自分でつくり上げてしまうのです。また、うつの原因を追究するのも得策ではないもの。
なぜなら原因は複合的で、追究しても解決するとは限らないからです。大切なのは、ネガティブ思考をストップし、今ここにいる自分は、どうしたいかを考えることです」
その方法として川本さんが推奨する方法が「メンタル・リセット・プログラム」。
「道具も使わず、1回わずか3分でできます。やる気が出ないときは、(1)のネガティブをやめる、だけでもOKです。うつっぽくなったときに取り入れてみて」
●<メンタル・リセット・プログラムのやり方>
まず、下準備をしよう。
・できることリストをつくる
自分ができることを紙に書きます。「朝、起きられる」「歯をみがける」「駅まで歩ける」「散歩に行ける」など、どんな些細なことでもOK! 質より量を目指して最低30個書き出しましょう。
・好きなことリストをつくる
好きなもの(もち物、食べ物など)、好きなこと(趣味など)、好きな人(芸能人や架空の人でもOK)、好きな場所(旅行先、行きたいところ)を、できるだけ具体的に紙に書きます。
(1) ネガティブをやめる
ネガティブをやめるには、呼吸を整えて、今いる場所で五感を研ぎ澄ませます。なぜならネガティブ思考は、起こってない「未来」と、過ぎ去った「過去」に向きがちだから。
「今」に向いていない思考を、体がある「今」に戻すことで、思考がネガティブな方向にいくのをやめさせます。
・ネガティブをやめるためにはこれをすればよい!
□呼吸を整える
□目線を上げ、今ある場所の細かいディテールを観察する
□耳で聞こえている音や声を捉えていく
□体で感じている感覚、体内で起こっている感覚も捉える
(2) ポジティブを増やす
ネガティブな思考から離れたら、下準備のリストを活用してポジティブを増やしましょう。
「できること」の項目を見て安心したら、「好きなこと」の項目を見てワクワクしてみて。できることは、なるべく実行に移すと「どうせ無理」の考えが打ち消されて、メンタルが安定します。
(3) 思考のクセを変える
ネガティブ→ポジティブに変換して、思考のクセを変えましょう。
紙に自分の欠点と、それをプラスに言い換えた言葉を書き(たとえば「気が弱い」なら「思いやりがある」など)、それを見ながら「私は気が弱い…いや違う! 思いやりがある」と自分に言い聞かせます。
<イラスト/キリ 取材・文/ESSE編集部>
●【教えてくれた人】
うつ専門メンタルコーチ 川本義巳さん
コーチングに出合いうつ病を克服したのを機に、うつ専門のプロコーチに転身。9年で1万人以上の相談、指導を行う。著書に『1日3分でうつをやめる。
』(扶桑社刊)
●【教えてくれた人】
精神科医 奥田弘美先生
医師。産業医、精神科医として都内の企業で働く人のストレスケアに携わる傍ら、作家として書籍など多数執筆。近著に『心に折り合いをつけてうまいことやる習慣
』(すばる舎刊・共著)