気温が高い夏に気をつけたいのが熱中症。最近では炎天下だけでなく、家の中にいても熱中症にかかり重症化するケースも増えています。そんな熱中症から大切な家族を守るために、覚えておきたい大切なことを、医師の十河(そごう)剛先生に教えてもらいました。クイズ形式でご紹介します。

<熱中症対策Q&A>お医者さんに聞いた、正しい対処法からおすすめの服装まで!



予防も対策もまずは基本から。真夏日(30℃以上)になると、熱中症になるリスクが増加! ただ、気をつけるべきは気温だけの問題ではないことも。



Q1:屋外で熱中症になりやすいのはどっち?



A 身長170cmの大人
B 身長100cmの子ども

答え:B 身長100cmの子ども

大人はさほど暑さを感じていなくても、子どもは熱中症にかかることがあります。その理由は“地面からの照り返し(輻射(ふくしゃ)熱)”。身長が低く地面に近いほど影響を受けやすいのです。とくにアスファルトの地面は、気温の2倍にもなるケースがあるので注意しましょう。

Q2:熱中症になりやすいのはどんな日?



A たくさん食べた翌日
B たくさんお酒を飲んだ翌日
C たくさん泣いた翌日

答え:B たくさんお酒を飲んだ翌日

ビールなどアルコール飲料をたくさん飲むことは、水分補給になりません。むしろ大量に摂取すると利尿作用を促進。体内の水分が失われ、脱水状態に陥る危険性があります。さらに、お酒を飲むと眠りが浅くなるため、翌日に疲労がたまり熱中症にかかりやすくなることも。

Q3:熱中症にかかりにくいマスクは何色?



A 黒
B 白

答え:B 白

白は光を反射し、マスク内の温度上昇を抑えるのに対して、黒は光を吸収しやすく、吸収した光が熱エネルギーに変わるため、マスク内の温度が上昇しやすいので注意しましょう。また、屋外で人と2m以上距離があるときは、マスクを外して熱中症のリスクを下げるように!

Q4:熱中症予防に効果的なのはどれ?



A 水分補給
B 塩分補給
C 水分と塩分補給

答え:C 水分と塩分補給

大量に汗をかくと、水分とともに塩分やミネラル分も流出。この状態で水分だけを補給すると、血液中の塩分やミネラル濃度が低下してしまいます。熱中症予防には、水分とともに塩分を補給することが大切です。

Q5:太陽の光が入らない屋内でも熱中症になることがある?



答え:Yes

家に光が入らなくても2階やお風呂場など、熱がこもりやすい場所は要注意。長時間いると、気づかないうちに体内の水分が失われ、脱水症状を起こすことがあります。室内では換気に気をつけ、適度な水分補給を忘れずに。

Q6:夜、寝ているときは熱中症にはかからない?



答え:No

睡眠中は知らないうちに汗が蒸発していますが、熱帯夜ではさらに多くの汗をかくため、脱水症状を起こしやすくなります。快適な睡眠を得るため、エアコンを上手に活用し、眠る前には水分補給を心がけましょう。

Q7:気温がそれほど高くなくても、湿度が高いと熱中症になる?



答え:Yes

気温が低くても湿度が高いと汗が蒸発しにくく、体温調節がうまくいかず、熱中症にかかりやすくなります。気温が25℃以下でも湿度が80%以上あると熱中症のリスクが高まるので、エアコンなどの除湿機能も上手に活用を。

Q8:汗はこまめにふく方が、熱中症にかかりにくい?



答え:Yes

人間は汗をかくことで、上がった体温を下げるため、発汗は体温調節のために欠かせません。その汗をふかずにいると、水分蒸発がうまくできず、体温を下げることができなくなります。汗はこまめにふきましょう。



Q9:風邪をひいたり、下痢のときは熱中症になりやすい?



答え:Yes

風邪による発熱や下痢を起こすと、体内の水分や塩分が奪われやすく、熱中症のリスクが高まります。また、風邪による鼻づまりで口呼吸になると、体内の水分がさらに蒸発しやすくなるので注意が必要です。

<取材・文/ESSE編集部>

●教えてくれた人
十河(そごう)剛先生



済生会横浜市東部病院小児肝臓消化器科副部長。熱中症による脱水の危険性と対処法を広める『教えて!「かくれ脱水」委員会』の委員を務める。