丸亀製麺 “子どものため”のうどん弁当がすごい!思わず感心する、強いこだわりとは?
その日、その店舗でつくった麺と揚げたてサクサク天ぷらが手軽に楽しめる、本格讃岐釜揚げうどんチェーン『丸亀製麺』。“つくりたて”にこだわり続けてきた同チェーンで、テイクアウト専用の「丸亀うどん弁当」が現在大ヒット中! 7月には子どものためのうどん弁当も発売しました。
“うどん”と“弁当”、そんな意外な組み合わせをどう実現したのか、いまだ勢い衰えることを知らない「丸亀うどん弁当」の誕生秘話を、『丸亀製麺』を全国展開しているトリドールホールディングス商品開発部・浦郷裕介さんとマーケティング部・宮林里美さんに話を聞きました。
左からトリドールホールディングス商品開発部・浦郷裕介さんとマーケティング部・宮林里美さん
全国に800店舗以上を展開している本格讃岐釜揚げうどんチェーン『丸亀製麺』で、発売からわずか3か月で800万食を超える大ヒット商品になった『丸亀うどん弁当』。ネーミングを聞いたとき、パッとどんな商品かわからないため、かえって強く興味を惹かれてしまいます。
この『丸亀うどん弁当』、発売初日からすごい売れ行きで、なかには1日で何百食も売れ、売り切れになってしまった店舗もあったそう。
全店舗で国産小麦粉と塩、水で毎日麺をつくり、だし、天ぷらともに手づくり・できたての本格的な讃岐うどんが食べられる、同チェーンのいちばんのコンセプトは「常に手づくり・できたてを提供すること」(浦郷さん)だったため、以前はあまりテイクアウトには力を入れてこなかったそう。しかし、コロナ禍の緊急事態宣言などを受け、訪れるお客さんたちの「丸亀製麺のうどんを自宅で食べたい!」という声に後押しされ、2020年5月27日からテイクアウトを開始しました。
さらに、コロナ禍で生活様式が変わった多くの人たちに、どこでもいつでも手軽に本格的なうどんを楽しんでもらうには「弁当」の形ではないかという発想に!
そうやって、お弁当容器内のうどんとおかず、天ぷらに袋に入っただしをかけて食べるという、ありそうでなかった「丸亀うどん弁当」が誕生しましたが、最初に上司から「うどんで弁当をつくるぞ!」と言われたとき、浦郷さんの頭には、いろんな考えがよぎったといいます。
「『ええッ、うどんを弁当にする!?』とビックリ。その瞬間は、どんなものにすればいいのか、パッと思い浮かびませんでした。コンビニに売っているうどんは、麺にトッピング的な素材が添えられているもので、お弁当とはちょっと違う。でも、今までにないものだからこそ、おもしろいと思えた。結果的にも、お弁当とうどんという意外な組み合わせが消費者の心に刺さったのではないでしょうか」(浦郷さん)
「うどんや天ぷらなど、その日の気分に合わせてメニューを選ぶ楽しさもありますが、うどん弁当はそれだけで完結しているので、初心者さんにも注文しやすい商品です」(宮林さん)
未知の「うどん弁当」を現実の形にするまでには、年間3000杯のうどんを食べ、もはや完全プライベートの休日でも、うどんを欲する体になってしまった浦郷さんすら思わず遠い目をしてしまうほど、並々ならぬ努力がありました。
「『丸亀うどん弁当』には、自分たちがつくりたてを提供するときに行ってきたこだわりを、これでもかってくらいつめ込んでいます。おかずの共通品目は、最終的に、ネギ、玉子焼き、キンピラゴボウになりましたが、これら具材の選定だけでも、100以上の食材を試しました。たとえばコロッケなんかも試したのですが、衣がだしを吸ってしまって、うどんまでたどり着かず、味に満足がいかなかったため、採用を諦めました。そうやって何度もさまざまな食材を繰り返し、うどんやだしとの相性を考えながら、各食材の味や量は今のバランスになっています」(浦郷さん)
もちろん、天ぷらにも、丸亀製麺ならではのこだわりが。
「天ぷらは、野菜バラ天とちくわ磯辺天が共通して入っています。野菜バラ天にはタマネギ・ニンジン・サツマイモ・青ネギの4種類を使っているのですが、全部バラバラにして揚げたことで、味のバランスが非常に整った。苦手な野菜があっても、これなら食べられるという声も多いです。あと、だしも北海道産の真昆布や厳選した複数の削り節からとっているので、アオサの香りがかぐわしいちくわ磯辺天も海のもの同士でとても相性がいいんですよ」(浦郷さん)
「カリっていうところと、だしがシミシミっていうところができる、絶妙なバランスを実現しました」(宮林さん)
このように、うどんのプロたちが何度も試作に試作を重ねたなかから、最良のバランスで実現された「丸亀うどん弁当」。しっかりかき混ぜて食べても、天ぷらやおかずをフタに取りおいて別個に食べても、ほっぺたが落ちそうなほどおいしい仕上がりになっています。
7月21日からは、期間限定で「丸亀こどもうどん弁当」も新発売に。TOKIO・国分太一さんと一緒に考えた、子どもが大喜びする商品になっています。“タコちゃんウィンナー”をはじめ、見た目も味も楽しくおいしい7種類のおかずの盛りつけも鮮やか! 食べるときの食欲に合わせて、半玉と1玉のどちらか選べるのもうれしいポイントです。
丸亀こどもうどん弁当の7種類のおかず
この「丸亀こどもうどん弁当」開発の裏には、社風とそこで働く女性たちの活躍もありました。
「わが社はスーツを着ている人があまりいない、ラフな社風。うどんをはじめ、日常食を提供している会社なので、私たちがスーツを着ちゃうと日常から離れてしまいますので。職場は仕事をする場所というよりも、コミュニケーションしに来る場所という考えが、そういった会社の雰囲気につながっている。そうやってみんなで語らいながら考えるからこそ、いいアイデアが生まれていくのだと思います。とくに、今回は全国津々浦々のお子さまのいる女性スタッフさんたちの協力が欠かせませんでした」(宮林さん)
本社でも店舗でも、女性が大活躍しているという。また、麺づくりの知識・技術に長けたスタッフに“麺職人”の称号を与える社内制度では、全国に4人しかいない二つ星の麺職人のうち、3人が女性なんだとか。
今回の開発では、北海道から九州までの複数の店舗に声をかけ、うどんのプロフェッショナルとしてだけでなく、子どもの親としての視点でも意見を集めていったそう。
「とにかくたくさんのアイデアが出ました。『野菜は煮物にしたほうが、子どもが食べてくれやすい』とか『うちの子は唐揚げが好きだから、たくさん入れてよ』とか、そういう意見をまとめていったんです。うどんの量を2種類にしたのも、『うちの子は半玉でじゅうぶん』『我が家はよく食べるから、1玉がいいかも』などいろんな意見が出たから。あと、だしを袋ではなくボトルに入れたのも、非常に好評でした」(宮林さん)
日常的に商品開発に携わっている浦郷さんも「今回の『丸亀こどもうどん弁当』に関しては、全スタッフで考えてつくりあげたもの」と格別の思い入れがあるそうです。
「子どもたちを笑顔にすることを考えてつくりました。異なる食感の具材を詰めています。食育にもなると思うので、彩りとともに楽しんでもらえれば」(浦郷さん)
「コロナ禍で自由に外食も難しい昨今ですが、自宅でも外でも手軽に食べられるのがお弁当の魅力。“こども”とついていますが、大人でも注文できるので、ぜひ家族みんなで手に取ってみてください」(宮林さん)
コンパクトな容器のなかに、情熱や想いがつまった「丸亀うどん弁当」&「丸亀こどもうどん弁当」。大ヒットの理由には、多くの人のこだわりと努力がありました。
<撮影/赤松洋太 取材・文/ESSEonline編集部>
“うどん”と“弁当”、そんな意外な組み合わせをどう実現したのか、いまだ勢い衰えることを知らない「丸亀うどん弁当」の誕生秘話を、『丸亀製麺』を全国展開しているトリドールホールディングス商品開発部・浦郷裕介さんとマーケティング部・宮林里美さんに話を聞きました。
左からトリドールホールディングス商品開発部・浦郷裕介さんとマーケティング部・宮林里美さん
丸亀製麺のうどん弁当が800万食を超える大ヒット!
全国に800店舗以上を展開している本格讃岐釜揚げうどんチェーン『丸亀製麺』で、発売からわずか3か月で800万食を超える大ヒット商品になった『丸亀うどん弁当』。ネーミングを聞いたとき、パッとどんな商品かわからないため、かえって強く興味を惹かれてしまいます。
この『丸亀うどん弁当』、発売初日からすごい売れ行きで、なかには1日で何百食も売れ、売り切れになってしまった店舗もあったそう。
●消費者の心を掴んだ「うどん」+「弁当」の意外な組み合わせ
全店舗で国産小麦粉と塩、水で毎日麺をつくり、だし、天ぷらともに手づくり・できたての本格的な讃岐うどんが食べられる、同チェーンのいちばんのコンセプトは「常に手づくり・できたてを提供すること」(浦郷さん)だったため、以前はあまりテイクアウトには力を入れてこなかったそう。しかし、コロナ禍の緊急事態宣言などを受け、訪れるお客さんたちの「丸亀製麺のうどんを自宅で食べたい!」という声に後押しされ、2020年5月27日からテイクアウトを開始しました。
さらに、コロナ禍で生活様式が変わった多くの人たちに、どこでもいつでも手軽に本格的なうどんを楽しんでもらうには「弁当」の形ではないかという発想に!
そうやって、お弁当容器内のうどんとおかず、天ぷらに袋に入っただしをかけて食べるという、ありそうでなかった「丸亀うどん弁当」が誕生しましたが、最初に上司から「うどんで弁当をつくるぞ!」と言われたとき、浦郷さんの頭には、いろんな考えがよぎったといいます。
「『ええッ、うどんを弁当にする!?』とビックリ。その瞬間は、どんなものにすればいいのか、パッと思い浮かびませんでした。コンビニに売っているうどんは、麺にトッピング的な素材が添えられているもので、お弁当とはちょっと違う。でも、今までにないものだからこそ、おもしろいと思えた。結果的にも、お弁当とうどんという意外な組み合わせが消費者の心に刺さったのではないでしょうか」(浦郷さん)
「うどんや天ぷらなど、その日の気分に合わせてメニューを選ぶ楽しさもありますが、うどん弁当はそれだけで完結しているので、初心者さんにも注文しやすい商品です」(宮林さん)
●あの食材も候補。100以上の食材を試して、最高の味のバランスに!
未知の「うどん弁当」を現実の形にするまでには、年間3000杯のうどんを食べ、もはや完全プライベートの休日でも、うどんを欲する体になってしまった浦郷さんすら思わず遠い目をしてしまうほど、並々ならぬ努力がありました。
「『丸亀うどん弁当』には、自分たちがつくりたてを提供するときに行ってきたこだわりを、これでもかってくらいつめ込んでいます。おかずの共通品目は、最終的に、ネギ、玉子焼き、キンピラゴボウになりましたが、これら具材の選定だけでも、100以上の食材を試しました。たとえばコロッケなんかも試したのですが、衣がだしを吸ってしまって、うどんまでたどり着かず、味に満足がいかなかったため、採用を諦めました。そうやって何度もさまざまな食材を繰り返し、うどんやだしとの相性を考えながら、各食材の味や量は今のバランスになっています」(浦郷さん)
もちろん、天ぷらにも、丸亀製麺ならではのこだわりが。
「天ぷらは、野菜バラ天とちくわ磯辺天が共通して入っています。野菜バラ天にはタマネギ・ニンジン・サツマイモ・青ネギの4種類を使っているのですが、全部バラバラにして揚げたことで、味のバランスが非常に整った。苦手な野菜があっても、これなら食べられるという声も多いです。あと、だしも北海道産の真昆布や厳選した複数の削り節からとっているので、アオサの香りがかぐわしいちくわ磯辺天も海のもの同士でとても相性がいいんですよ」(浦郷さん)
「カリっていうところと、だしがシミシミっていうところができる、絶妙なバランスを実現しました」(宮林さん)
このように、うどんのプロたちが何度も試作に試作を重ねたなかから、最良のバランスで実現された「丸亀うどん弁当」。しっかりかき混ぜて食べても、天ぷらやおかずをフタに取りおいて別個に食べても、ほっぺたが落ちそうなほどおいしい仕上がりになっています。
●子どものためのうどん弁当の開発に欠かせなかった女性たちの活躍
7月21日からは、期間限定で「丸亀こどもうどん弁当」も新発売に。TOKIO・国分太一さんと一緒に考えた、子どもが大喜びする商品になっています。“タコちゃんウィンナー”をはじめ、見た目も味も楽しくおいしい7種類のおかずの盛りつけも鮮やか! 食べるときの食欲に合わせて、半玉と1玉のどちらか選べるのもうれしいポイントです。
丸亀こどもうどん弁当の7種類のおかず
この「丸亀こどもうどん弁当」開発の裏には、社風とそこで働く女性たちの活躍もありました。
「わが社はスーツを着ている人があまりいない、ラフな社風。うどんをはじめ、日常食を提供している会社なので、私たちがスーツを着ちゃうと日常から離れてしまいますので。職場は仕事をする場所というよりも、コミュニケーションしに来る場所という考えが、そういった会社の雰囲気につながっている。そうやってみんなで語らいながら考えるからこそ、いいアイデアが生まれていくのだと思います。とくに、今回は全国津々浦々のお子さまのいる女性スタッフさんたちの協力が欠かせませんでした」(宮林さん)
本社でも店舗でも、女性が大活躍しているという。また、麺づくりの知識・技術に長けたスタッフに“麺職人”の称号を与える社内制度では、全国に4人しかいない二つ星の麺職人のうち、3人が女性なんだとか。
今回の開発では、北海道から九州までの複数の店舗に声をかけ、うどんのプロフェッショナルとしてだけでなく、子どもの親としての視点でも意見を集めていったそう。
「とにかくたくさんのアイデアが出ました。『野菜は煮物にしたほうが、子どもが食べてくれやすい』とか『うちの子は唐揚げが好きだから、たくさん入れてよ』とか、そういう意見をまとめていったんです。うどんの量を2種類にしたのも、『うちの子は半玉でじゅうぶん』『我が家はよく食べるから、1玉がいいかも』などいろんな意見が出たから。あと、だしを袋ではなくボトルに入れたのも、非常に好評でした」(宮林さん)
日常的に商品開発に携わっている浦郷さんも「今回の『丸亀こどもうどん弁当』に関しては、全スタッフで考えてつくりあげたもの」と格別の思い入れがあるそうです。
「子どもたちを笑顔にすることを考えてつくりました。異なる食感の具材を詰めています。食育にもなると思うので、彩りとともに楽しんでもらえれば」(浦郷さん)
「コロナ禍で自由に外食も難しい昨今ですが、自宅でも外でも手軽に食べられるのがお弁当の魅力。“こども”とついていますが、大人でも注文できるので、ぜひ家族みんなで手に取ってみてください」(宮林さん)
コンパクトな容器のなかに、情熱や想いがつまった「丸亀うどん弁当」&「丸亀こどもうどん弁当」。大ヒットの理由には、多くの人のこだわりと努力がありました。
<撮影/赤松洋太 取材・文/ESSEonline編集部>