4日、優勝候補筆頭ブラジルとニュージーランドの親善試合は4−0でブラジルが圧勝した。W杯本番に向けての最終テストマッチは多彩な攻撃を披露した王者が格の違いを見せ付け、好調な仕上がりを全世界にアピールした。

試合開始からブラジルの猛攻が続いた。前半終了間際の43分、右サイドをドリブル突破したカカがゴール前のロナウドに完璧なラストパスを送り先制。後半6分、相手のパスを奪ったカフーからロビーニョと繋いだボールを最後はアドリアーノがエリア外から左足一閃。所属クラブのインテルで不遇なシーズンを過ごした眠れる獅子がついに目覚めた瞬間だった。圧巻は同40分、ニュージーランドの右CKのクリアボールを拾ったアドリアーノがカカに繋ぐ。ハーフウェイライン手前でパスを受けたカカは前を向くと躊躇する事無く約50mの距離をドリブルで持ち込み、最後はGKの動きを冷静に確認してから右足インサイドでゴールへ流し込んだ。後半40分17秒にボールを受けたカカがネットを揺らすまでに要した時間はたったの「8」秒だった。ブラジルはロナウジーニョと交代で入ったジュニーニョも追加点を挙げ、終わってみれば4−0の圧勝。

4年前の日韓大会、無名に近い存在だったカカだが今では代表の中心選手に成長、公私共に充実している。所属クラブのACミランではMFのポジションながら今季14得点をマーク、昨年クリスマスに結婚したカロリーネ夫人は4日付けのサンデー・タイムズ紙「選手夫人・恋人W杯」でシェフチェンコ夫人に次ぐ第2位に選ばれた。幼いイメージから一変、短髪にして闘志を前面に押し出したカカがブラジルを6度目の優勝に導く。