クレスポはアフリカ勢に対するコンプレックスを打開できるか
 プレミア王者のチェルシーが、ACミランからFWアンドリー・シェフチェンコを獲得したことで、エルナン・クレスポの立場が微妙になっている。このアルゼンチン代表ストライカーは、かつてプレーしたイタリアに戻りたがっているが、チームメイトのコートジボワール代表FWディディエ・ドログバにもフランス行きの噂が上がっており、その去就はいまだ不透明だ。

 チェルシーで同じような境遇にある両者も、ワールドカップのグループリーグでは敵として対戦する。そして、ドログバは「仲間意識は捨て、本気で戦う」とチームメイトとの真剣勝負を強調し、さらにはクレスポからアフリカ勢に対するコンプレックスを打ち明けられたことも明らかにした。

「クレスポはコートジボワールと戦うのを恐れているようだ。直接彼から聞いたんだ。『アルゼンチンはアフリカ勢が苦手。過去に苦い思いをしているから。1990年のワールドカップではカメルーンにまさかの敗戦を喫したし、1996年のアトランタ五輪の決勝ではナイジェリアに負けたから』って弱音を吐いていたよ。ただ、チームメイトだからって、僕には関係ない。ぜひともアルゼンチン戦でゴールを決めたいね」

 クレスポが危惧する通り、アルゼンチンが敗退し、コートジボワールが躍進するようなことがあれば、代表の成績だけでなく、自身のクラブにおける立場にも影響する。この両者にとって、ワールドカップの舞台は、クラブレベルでのサバイバルを賭けた戦いでもあるようだ。