東京電力福島第1原子力発電所の事故で発生し、農家が一時保管している稲わらや牧草などの「指定廃棄物」ですが、栃木県内では全国2番目に多い1万3500トンが発生し、那須塩原市など6つの市と町では農家で今もおよそ3千トンが保管されています。

環境省の堀内詔子副大臣が2日に那須塩原市を訪れ、渡辺美知太郎市長に「那須塩原クリーンセンター」に集約して暫定保管したいと協力を要請しました。

農家が保管している指定廃棄物は那須塩原市だけで1200トンあまりに上ります。

原発事故から10年が経つ中、環境省では農家の負担軽減のため、それぞれの市や町の指定廃棄物を1ヵ所に集約する考えを示していましたが、暫定集約の場所などが具体的に示されたのは那須塩原市が初めてです。

暫定の保管場所となるのは市が管理するごみ焼却施設の「那須塩原クリーンセンター」で、すでに指定廃棄物の一部が保管されています。

環境省の案によりますと8000ベクレルの基準値を下回るものについては順次、指定を解除して「一般ごみ」として処分する他、新たに搬入される農業系指定廃棄物も一度保管し、濃度が下がった段階で指定を解除して処分することにしています。

これに対し、渡辺市長は「およそ8割は基準値以下で現実的な要請だと思う」と理解を示しました。