試合感がつかめていないトッティ
W杯を目前に控えた31日、12大会連続16回目の出場となる優勝候補アズーリ(イタリア代表)は敵地ジュネーブで3大会ぶり8回目の出場を決めたスイス代表と対戦したが1−1の引き分けに終わった。

ネスタ、ザンブロッタを負傷で欠くアズーリはグロッソ、マテラッツィ、カンナバーロ、ザッカルドの急造DFで挑む苦しい展開。試合が動いたのは前半11分、がら空きの左サイド奥でパスを受けたグロッソから完璧なグランダーが中央のジラルディーノに渡り、難なく先制。ペースを掴んだかに見えた同34分、カウンターに焦ったアズーリDF陣は数的不利な状況を打破出来ないままMFギガックスにフリーで決められ同点。試合はそのまま終了した。

普段の4−3−1−2ではなくアルベロ・ディ・ナターレ(クリスマス・ツリー)と呼ばれる4−3−2−1で挑んだアズーリだが、リッピ体制で初めての試みとなる“トッティ+デル・ピエロ”のファンタジスタ2人のトップ下先発共存策は輝く事無く終わった。

試合後リッピ監督は「今日は親善試合。選手の状態を見極めることが重要だった。スキャンダル?なんで試合後にその話をしなきゃいけないんだ!!この1週間さんざん話したじゃないか」と不満を爆発、早々とピッチを後にした。ファンタジスタ2人の共存策は失敗、攻守切り替えの鍵を握るレジスタ(演出家)ピルロはかつてないスランプに陥っている。カルチョ・スキャンダルの悪影響に加え負傷者続出という問題を抱えたアズーリ、本来の実力を発揮する前に自滅する事だけは避けたい。