DeNA・三浦監督【写真:荒川祐史】

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2014年から隔年で勝ち越しor5分…今年は負け越し年?

■巨人 4ー2 DeNA(11日・横浜)

 DeNAは11日、本拠地・横浜スタジアムで行われた巨人戦に2-4で敗れた。今季の巨人戦はこれで0勝5敗2分で、開幕5連敗は2013年以来8年ぶり。昨季は12勝12敗で5分の対戦成績だったのに、今季はなぜこれほど勝てないのか。

 この日の7回、巨人の攻撃中に微笑ましい一幕があった。2死走者なしで打席に入った巨人・梶谷は、DeNAの左腕エスコバーのスライダーをとらえ切れず投ゴロ。捕球したエスコバーは一塁へ送球せず、そのまま一塁線上に立ちふさがり、打者走者の梶谷を待つ格好になった。梶谷が観念して、すっと右手を差し出すと、エスコバーはボールを持っていない左手でやさしくタッチ。

 これだけだと、野球規則上は正式なアウトにならないが、その後ボールを持った右手で梶谷の尻付近をポンと叩いた。梶谷は昨季オフにDeNAから巨人にFA移籍したばかり。変わらない友情を垣間見せたシーンに、ハマスタに足を運んだ観客9991人から拍手が沸き起こった。

三浦監督は守護神・三嶋に「やり返してくれると思います」

 DeNAからは昨季オフ、梶谷のみならず、先発ローテの一角を担っていた井納もFAで巨人へ流出。主力2人を奪われた上に、1度も勝てない現状が続いている。梶谷は同日現在、DeNA戦の対戦打率は.259(27打数7安打)。中日戦の.419、阪神戦の.333、ヤクルト戦の.321などに比べれば抑えている方だ。一方の井納は、今季いまだDeNA戦には登板していない。

 DeNAは3月26日の今季開幕戦でいきなり巨人と対戦し、亀井に9回サヨナラ本塁打を被弾する衝撃的なスタート。打線の中軸であるオースティン、ソトの来日がコロナ禍で遅れるなど、戦力が整わないうちに黒星が重なり、苦手意識が染みついてしまったといったところか。

 同じく巨人に開幕から5連敗を喫した2013年は、巨人OBでもある中畑清監督(当時)の就任2年目で、最終的に5勝18敗1分の惨敗だった。以降は、14年は13勝11敗、15年は10勝15敗、16年は14勝10敗1分、17年は9勝15敗1分、18年は15勝9敗1分、19年は11勝14敗、20年は12勝12敗。奇しくも、負け越しと勝ち越しor5分を交互に繰り返してきた。そのパターン通りなら、今季は“負け越し年”ともいえる。

「明日またみんなで全力でやっていくだけです」と言葉を振り絞った三浦大輔監督。同点の9回に登板しソロ本塁打2発を浴びて撃沈した守護神・三嶋一輝投手については、「やり返してくれると思います」と短いセリフに期待を込めた。何度やられても、闘争心だけは失うわけにいかない。(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)