朝の目覚めをよくするために、水分補給や軽い運動が推奨されたり、大音量の目覚まし時計が登場したりしています。そんな中、ロイヤルメルボルン工科大学の研究チームによって、「アラーム音の種類」を変更することで劇的に目覚めがよくなることが発見されました。

The Awakening Futures Sound Positive! Commentary On The Efficacy For Audio To Counteract Sleep Inertia

https://www.longdom.org/open-access/the-awakening-futures-sound-positive-commentary-on-the-efficacy-for-audio-to-counteract-sleep-inertia-64399.html

Clocks & Sleep | Free Full-Text | Auditory Countermeasures for Sleep Inertia: Exploring the Effect of Melody and Rhythm in an Ecological Context | HTML

https://doi.org/10.3390/clockssleep2020017

Snooze blues? How using your favourite song as an alarm can help you wake up more alert

https://theconversation.com/snooze-blues-how-using-your-favourite-song-as-an-alarm-can-help-you-wake-up-more-alert-158233

研究チームによると、目が覚めた直後に頭が働かない状態は「睡眠惰性」と呼ばれる生理現象で、オーストラリアでは睡眠惰性によって年間179億オーストラリアドル(約1兆5000億円)もの経済的損失が(PDFリンク)生じているとのこと。この睡眠惰性を改善するべく、カフェインの摂取や日光浴といった手法が広く用いられていますが、研究チームは新たに、「目覚ましアラーム音声の種類」と目覚めのよさの関連性を調査しました。

研究チームは被験者に「単調なブザー音(ALARM TONE)」「メロディに富んだ歌(MUSICAL SONG)」「メロディに富んだ楽器音声(INSTRUMENTAL MUSIC)」「鳥の鳴き声や水流などの環境音声(NATURAL SOUNDS)」の4種類のアラーム音声を起床時に聞かせ、睡眠惰性を感じた頻度を「ほんの少し(オレンジ)」「時々(灰色)」「しばしば(青色)」「毎回(黒)」の4段階で評価させました。その結果、単調なブザー音をアラームとして用いた場合と比べて、音楽や環境音声をアラームとして用いた場合の方が、目覚めがよくなることが判明しました。



次に、研究チームは「単調なブザー音」と「音楽」をアラーム音として用いる2つのグループに対して、寝起きに単純なゲームアプリをプレイさせて成績を比較しました。その結果、音楽をアラームとして用いたグループの方が高い成績を記録。これらの実験結果から、研究チームは「音楽をアラーム音として用いることで、睡眠惰性を改善できる」と結論付けています。

研究チームは「アラーム音の種類によって睡眠惰性を改善できることが分かりました」「近年、ウェアラブルデバイスやヘルスモニタリング技術が急速に進歩しています。この分野と今回の研究で得られた知見を組み合わせることで、さまざまな状況に合わせた最適なアラーム音を選択できるようになる可能性があります」と述べています。