最近、僕の周りのギャンブル中毒者たちがめっきり真人間になりつつある。「もう今のパチンコは勝てないよ」とか言い出したり「自宅で舟だの馬だの応援するのもしんどい」と嘆いたり。

ギャンブルってのはある程度財布の余裕があるから楽しめる部分がある。さすがにコロナ禍で浮かれて遊ぶ気にはなれないってことなんだろう。実際、僕も二度目の緊急事態宣言が出てからはパチンコ屋には出かけていない。というかほとんど外出もしていない。たまにジャスコに行くぐらいだ。ジャスコには何でもあるので……。(文:松本ミゾレ)

収支をつけないギャンブラーは破滅型が多い

ところで、ギャンブルをする人たちには収支をきちんと記録しているタイプと、一切記録を放棄しているタイプ。この2つにはっきりと分かれる。

記録をしっかりつける人。全然そんなことをせず、本能のまま。欲望のままにお金を使う人。両極端なのである。先日、5ちゃんねるに「ギャンブルやってる人ですべての収支の記録取ってる人っている?」というスレッドが立った。スレ主は「いるわけがない」と書き込んでいる。ということは、彼は収支をつけたことがないってことなんだろう。

でも、これは良くない。僕が知る限りでは、収支をちゃんと記録していない人って、破滅型ギャンブラーが多い。逆にちゃんと日々の記録をメモってる人って、借金もないし適切にお小遣いの範囲で遊べている傾向にある。もちろん、例外はいるけど。

投資額1933万円に対して回収額は……

僕も当然、ギャンブルに関する収支は登録している。宝くじからパチンコ・パチスロまで全部だ(競馬・競艇・競輪等は未経験)。最初の記録は日記帳につけていた。2003年の4月21日を原点として、今日まで記録は続いている。

途中、2007年頃にギャンブルの収支を記録できるウェブサイトが出来たのでそこに記録を手作業で移し、さらにそのサイトがアプリにも対応したので、現在はスマホでも記録できるようになった。

収支アプリはいくつかあるが、いずれも入力しやすく、収支増減をグラフで確認できる機能がついているので、視覚的に把握しやすい。しかも大体無料で使えるので個人的には利用しない手がないと思っている。

それに、いくら使っていくら戻ってきたのかを数字で目にすることで、使い過ぎを抑制することにも通じる。自制心を失ったら人は簡単に破滅するが、収支をつけることでそれを防ぐこともできるってわけだ。

ちゃんと記録するようになって負ける金額がシャレで済むようになった人って、やっぱり出てくるものだ。ちなみに僕の総投資額はこれまでなんと、1933万6760円。対して回収額が2140万1757円。収支は+206万4997円と、わずかに浮いている。

時給にすると602円だそうだ。まさにお小遣いレベルの安い勝ちだが、これも収支をつけていたから、諸々のセーブが効いて負けなかったってことなんだろうと思う。収支さえつければ、「ああ、使い過ぎたな」と思って負けが込むと節制する。節制すると、なんとお金が減らない!

これを15年以上続けると、やっぱり収支をつけてない人に比べると、だいぶ被害が抑えられるか、下手すると僕みたく、ちょっとだけ浮くのだ。さあ、つけよう。収支を。