リーガ・エスパニョーラ最終節の7試合が13日に行われ、1部残留の残りひとつのイスをかけて戦ったアラベスとエスパニョールはともに1−0で勝利し、その結果、前節までに勝ち点で優位に立っていたエスパニョールが1部残留を果たした。

奇跡的な残留劇だった。同時刻にキックオフしたアラベス対デポルティーボ・ラ・コルーニャ、エスパニョール対レアル・ソシエダの両試合は、前半を終えて0−0。後半の30分を過ぎても両ゲームともスコアは動かなかったが、終盤にドラマが待っていた。

後半33分、メンディソロッサ・スタジアムでアラベスが先制ゴール。この時点でアラベスがエスパニョールを勝ち点で上回り残留圏内に浮上した。一方、これで降格圏内に突入したエスパニョールは、焦りが焦りを呼んでゴールがますます遠のいた。最後は5人のFWを前線に並べるパワープレーに出るものの、選手たちの気合は空回りし決定的チャンスを外し続けた。しかし後半のロスタイム1分、エスパニョールに歓喜のときがやってくる。チーム生え抜きのFWコロミーナスがゴール前の混戦からシュートを放って決勝ゴール。そのまま逃げ切り、最後の最後に残留を決める劇的なフィナーレを迎えた。

試合直後にピッチに突っ伏した主将タムードは「本当に苦しかった」と嬉し涙で目を腫らしたままインタビューに答えた。一方、2部降格が決定したアラベスのピーターマン会長は「シーズン序盤のつまずきがなければ……」と悔しさを表しながらも「1年で1部に戻ってくる」と気丈に語った。