セリエAの名門ユーベ(ユベントス)のGMルチャーノ・モッジによる「審判操作」スキャンダルが世間を賑わせている。29度目の優勝目前のユーベに突然襲ったスキャンダル、先月から続く緘口令が事態をより悪化させている。

セリエAでは審判による「ユーベ贔屓」はすでに暗黙の了解となっており、プロビンチャ(地方の弱小クラブ)になるほど無抵抗状態が続いていた。公開された盗聴内容の一部にはモッジが04年欧州CLアヤックス戦の審判を指示するものや、セリエAでの審判を指名するなど傍若無人ぶりが明らかになった。

先日フィーゴが「モッジのような人物は見たことがない。試合前に審判と同じ部屋に居たが何を話していたんだ?怪しい点が多い」とカルチョ界にメスを入れ、物議を醸し出したが結局は不透明なまま収束。メディアも人気クラブへの配慮もあり、徹底追求には至らなかったが今回は話が別のようだ。電話の盗聴内容が続々と暴露されるにつれ新聞、ニュースを始め各メディアが競うように報じている。最近ではユーベを頂点とする構造に不満が募り他国リーグへの移籍を決定、あるいは希望する選手、監督も増えつつある。

残り2節となった今季のセリエA。「八百長」「暴力」「観客減」などネガティブな面ばかりが目立ったシーズンだが、来季の為にも今回の事件をうやむやにしてはならない。