頼れるエースがようやく復帰した。2月19日エンポリ戦、相手DFバニリからの後方タックルを受け左足首ひ骨骨折の重傷を負ったASローマ主将トッティ(29)が実戦の場に姿を見せた。27日、セリエC2のチスコ・ロディジャーニとの練習試合に先発出場したトッティは多くの観客が見守る中、忘れかけていたボールの感触を81回味わった。

67日ぶりの実戦にも心配は無用だった。40分ハーフの試合で74分間プレイしたトッティは「接触プレイもあったが問題なく、足首の感触は以前と同じだった。今日はトップ下で出来る限り動くことを意識した」と納得の表情で語った。

4−3−1−2でシステムを確定しているアズーリ(イタリア代表)。代えの利かないトップ下の復帰を誰よりも待ち望んでいたリッピ監督は「テレビで見ていたが、俊敏でいい動きをしていた。彼らしいプレイを存分に披露してくれたよ」とエースの復活に太鼓判を押した。

一時はW杯絶望かと囁かれたトッティだが出場を逃がせない理由があった。02年日韓W杯、04年ユーロ・ポルトガル大会での失態が今でも脳裏に焼き付いているという。「代表は今回で最後かもしれない」と漏らした事もあるトッティ、今大会に賭ける意気込みが分刻みのハードなリハビリに立ち向かわせた。すでにW杯モードに入ったトッティ、5kg減量した姿でグラウンドに降り立った彼は以前よりも精悍な顔つきになっていた。