「配当を含めた収入」が高い経営者トップ10

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ソフトバンクGの孫正義会長(撮影:尾形文繁)

9月15日に配信した「『年収1億円超』の上場企業役員ランキング500」には、多くの反響が寄せられた。一般的なサラリーマンの生涯給料とされる2億円の何倍もの額を、たった1年で稼ぐ役員の数に驚いた読者も多いだろう。

ただ、上場企業役員ともなれば、役員報酬以外にも大きな収入源がある。自社などの保有株による配当収入だ。


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そこで上場企業3780社、4万0663人の上場企業役員の最新人事データを収録している『役員四季報2021年版』および『有価証券報告書』のデータを用い、役員報酬1億円超の上場企業役員の中で「配当を含めた収入」が高い上場企業役員トップ500人をランキングで紹介する。

今回の集計対象は、2019年5月〜2020年4月に本決算を迎え、1億円を超える役員報酬を得た役員を有価証券報告書で開示した上場企業だ。

例年であれば、4月決算の有価証券報告書まで出そろうが、今年はコロナ禍の影響で有価証券報告書の公表が遅れている企業があるため、8月中旬までに公表された範囲でランキングを作成した。

【2020年9月28日16時42分追記】初出時、データの一部に誤りがあったため、ランキング表と本文を一部修正しました。

【2020年10月12日19時10分追記】単位表記に一部誤りがあったため、ランキング表を一部修正しました。

孫正義氏の配当収入は倍増

上場会社で最も稼いだ経営者は、ソフトバンクグループの孫正義氏だ。孫氏の配当含む収入の総額は195億4200万円となった。役員報酬ランキングでは176位の2億0900万円だったが、配当収入が193億3300万円あった。

昨年の配当収入は101億7300万円だったため、倍近くまで増加したことになる。孫氏は「2011年度から引退するまでのソフトバンクグループ代表としての報酬全額」を寄付し、東日本大震災の復興支援などに充てるとしている。


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2位は、ユニクロやジーユーを展開するファーストリテイリングの柳井正会長兼社長だ。柳井氏も役員報酬ランキングでは51位の4億円だったが、配当収入が100億円を超え、総額は109億7700万円となった。

1位だった昨年より配当含む収入の総額は4億円以上増えたが、孫氏の総額が大幅に増えたためランクダウンという結果になった。柳井氏は6月に、京都大学に個人として総額100億円を寄付することを明らかにしている。

豊田章男社長は14億9400万円

3位は、戸建て住宅分譲のオープンハウスの社長である荒井正昭氏。配当収入は30億2400万円に上る。

本ランキングでは、創業(家)社長が多くランクインしている。有名どころでは12位のトヨタ自動車・豊田章男社長(14億9400万円)、19位の楽天会長兼社長の三木谷浩史氏(9億8900万円)、33位のエイチ・アイ・エスの澤田秀雄会長兼社長(7億1800万円)などがいる。

なお、親子上場している会社から同一人物がそれぞれ報酬を得ている場合、複数ランクインしてしまうため、1つにまとめて表記している。ソフトバンクグループの宮内謙氏がそれにあたる。

また、Zホールディングス社長の川邊健太郎氏は、報酬を孫会社である同社からのみ得ているため、孫会社の名前と役職を記載した。子会社からのみ報酬を得ている、GMOペイメントゲートウェイ社長の相浦一成氏に関しても同様に記載した。