激しいゲーム展開となった今季のCL決勝 photo/Getty Images

写真拡大

今季チャンピオンズリーグの決勝は、目まぐるしく攻守が入れ替わるテンポの速いゲームだった。奪ったらとにかく縦へボールをつける。最終的なスコアは1-0だったものの、もっとゴールが決まってもおかしくない試合だったと言える。

そんな両チームに決定機が次々と生まれた今季のCLファイナルを見て、時代の移り変わりを実感した人は多いかもしれない。思い返してみれば、10年前のCLチャンピオンはジョゼップ・グアルディオラ監督が率いていたバルセロナ。彼らは“ティキ・タカ”と呼ばれるショートパス主体のポゼッションサッカーで欧州王者に輝いた。それ以来、ポゼッションスタイルが世界中のサッカー界における一大トレンドとなったことも記憶に新しい。

しかし、それから10年の時を経た今季、CL決勝ではそのスタイルに真っ向から対立するようなサッカーが展開されたのだ。もう“ティキ・タカ”隆盛の時代は終わりを迎えたのか。そう思う人がいるのも無理はない。

「CL決勝を見て思ったよ。現在、フットボールのトレンドは確実にティキ・タカから遠ざかっているとね。リヴァプール、パリ・サンジェルマン、バイエルンといったチームに代表されるように、現代のフットボールはパッションや熱気、そして強いフィジカルを前面に押し出したチームが支配している。そう感じずにはいられなかった」

独『Sport Bild』に対してこのように語ったのは、かつてバイエルンでプレイした元ドイツ代表DFフィリップ・ラーム氏。どうやら、このレジェンドも今回のファイナルを見てひとつの時代の終焉を実感したようだ。

“ティキ・タカ”全盛期から、新たな時代へと向かい始めた昨今のサッカー界。はたして今後、またも世界中を巻き込む一大ムーブメントとなるような新戦術は誕生するのだろうか。今からその時が訪れるのは、楽しみでならない。

●電子マガジンtheWORLD(ザ・ワールド)最新号を無料で公開中!

電子マガジンtheWORLD(ザ・ワールド)最新号は、欧州4大リーグのシーズンレビュー。コロナ禍の混乱があったものの、新たな若手が躍動したり、新指揮官が辣腕を振るったりと見所満載だったシーズンを、業界屈指のライター陣が振り返ります!

http://www.magazinegate.com/theworld/