イスラム教の裁判官に手を握られ結婚式を行う夫婦、そばには新郎の父の遺体が(画像は『Mashable SEA 2020年7月16日付「Indonesian couple marries next to the lifeless body of groom’s father. Wait, what?」(IMAGE:Tribun News)』のスクリーンショット)

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インドネシアの東カリマンタン州サマリンダにて今月10日、一組の夫婦が誕生した。新郎の父の急死を受けて、遺体のそばで父親の葬儀と自分の結婚式を同時に挙げた息子とその妻が話題になっている。『Mashable SEA』『LADbible』などが伝えた。

新郎のロマドニ・プトラ・プラタマさん(Romadhoni Putra Pratama)は、予定していた結婚式を新型コロナウイルス感染拡大の影響で延期していた。しかし7月10日、運動していた最中に心臓発作によってロマドニさんの父親が急死してしまったのだ。

生前の父親はロマドニさんの晴れの舞台を楽しみにしていた。そのことを知っていたロマドニさんは、結婚式の予定を早めて父親の葬儀と自ら結婚式をあえて同時に行うことに決めたという。

ロマドニさんはインドネシアのメディア『Tribunnews.com』にこう語っている。

「父は亡くなってしまいましたが、私は今でも父の霊がこの部屋にいてこの式を祝福してくれていると信じています。」

さらに「それが魂だけであったとしても、父はまだすぐそばにいて、私と妻とが結婚する姿を見ていてくれたと確信しています」とも明かした。

地元サマリンダの宗教関係責任者であるムハンマド・アルガ・ラディティアさん(Muhammad Arga Raditiya)は、「ロマドニはいつも父親に結婚を見届け、祝福してほしがっていた。だからこそ、この夫婦は父親が亡くなった日に結婚式を挙げることにしたのです」と話している。

ロマドニさんを取材した『Tribunnews.com』の写真からは、ロマドニさんがイスラム教の裁判官「カーディー(Qadi)」に手を握られて結婚の祝福を受けている様子があり、そばには2人を見守るように祀られた父親の遺体が確認できる。

なおイスラム教では、原則的には男性の場合は3日間の追悼、女性の場合4か月と10日の間は喪に服し、娯楽にあたることは禁止するように義務付けられている。

画像は『Mashable SEA 2020年7月16日付「Indonesian couple marries next to the lifeless body of groom’s father. Wait, what?」(IMAGE:Tribun News)』『LADbible 2020年7月16日付「Couple Hold Funeral And Wedding Together After Dad Dies」(Credit:CEN)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 YUKKE)