在宅の無線LANを強化する! 無線LANルーターの電波が届かない部屋も解決

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在宅ワークで無線LANを利用している人も多いだろう。
無線LANルーターを使用すれば、ケーブルレスで家庭内のどこでも通信が使えるし、スマートフォンの通信量の節約もできる。

しかし、実際に無線LANを利用してみると、部屋によっては無線LANが繋がりにくかったり、電波が届かなかったりすることがある。

そこで今回は、家庭内の無線LANルーターの電波を強化し、電波が届かない部屋でも使えるようにする解決方法を紹介しよう。


■遠い場所に電波を届ける「Wi-Fi中継器」
無線LANルーターは2.4GHzまたは5GHzの電波を利用しているが、いずれも電波の届く範囲は限られている。

2.4GHzの電波は5GHzに比べて壁や天井などの障害物があっても電波が届きやすいが、それでも遠い場所や2階などの場合、電波が弱く、繋がらなかったり、繋がってもすぐに切れたりすることがある。

Wi-Fi中継器は、こうした電波の弱い場所でも、無線LANルーターの電波を届ける機器だ。


無線LANルーターの中継器。



■家庭の電力線を利用する「PLC」+無線LANルーター
PLCは、Power Line Communicationsの略称。
家庭のコンセントに本体を挿すことにより、ネットワーク回線として電力線を使うことができる。
無線LANルーターの電波が届かない部屋でも、コンセントがあれば、そこに子機を取り付けてインターネットに接続することができる。
電力線を使用するため、壁や天井などの障害物も関係ないというわけだ。

PLC子機に無線LANルーターを繋げれば、そこが新たなアクセスポイントになる。

PLCの使い方は簡単だ。
・親機と子機を、それぞれコンセントに接続する
・親機をインターネットに接続する
・子機に無線LANルーター、あるいはパソコンを接続する

電力線を使用すると聞くと、セキュリティーが気になる人もいるだろう。
PLCの信号は配電盤で減衰する特性があるため、隣の家が勝手にインターネットへ繋げてしまうことはない。

もちろんデメリットもある。
PLCは電力線を使用するため、家電からの電気ノイズを拾いやすく、通信速度が低下することもあるからだ。
ノイズ対策としては、ノイズ軽減機能が付いたOAタップを使用する方法がある。


PLC子機。セットアップはコンセントに挿すだけだ。



■新しい無線LANルーターを使う手もある
筆者は、2階建ての家に住んでいる。
2階のパソコンルームに光回線を引き、無線LANルーターを接続してインターネットを利用している。

無線LANルーターの電波は1階のリビングルームまで届くが、電波が弱くてすぐに切れてしまうことがある。

Wi-Fi中継器も使用してみたのだが、家の構造もあり、電波状況はあまり改善できなかった。
そこでPLCを使い、1階のPLC子機に無線LANルーターを繋いで使用していた。

ところが最近、2階の無線LANルーターを新しいモデルに変更したところ、1階でも通信が切れずにインターネットが利用できるようになった。

無線LANルーターの種類によっても、電波の届く範囲は異なるので、新しい無線LANルーターに入れ替えるという方法もある。

最後に家庭の無線LANルーターの通信速度を計測する方法も知っておこう。
インターネット回線速度テスト「FAST.com」を使用すれば、通信速度を測定できる。

実際に筆者の環境で計測してみた。
測定するにあたり、パソコンルームとリビングルームの扉はいずれも閉めた状態にした。

結果を見ると、以前は電波が届きづらかった1階のリビングルームでも現在は電波が届いていることが確認できる。
またPLCも、それなりの速度が出ていることもわかる。

2階のパソコンルーム
5GHz帯 140Mbps
2.4GHz帯 68Mbps

1階のリビングルーム
5GHz帯 59Mbps
2.4GHz帯 31Mbps
PLC+5GHz帯 25Mbps
PLC+2.4GHz帯 25Mbps
PLC(ケーブル接続) 25Mbps


新しい無線LANルーターに変えたところ、1階のリビングルームでも十分な通信速度を得られた。



無線LANルーターの電波が届きづらい部屋がある場合には、Wi-Fi中継器を利用することにより、遠い場所でも電波を届けることができる。
Wi-Fi中継器でも解決できないときは、PLCを使う方法もある。
さらに新しい無線LANルーターに交換することで電波状況を改善できることもある。


ITライフハック 関口哲司