柔道の男子日本代表、井上康生監督【写真:Getty Images】

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先月27日の代表選手発表会見での涙の意味

 柔道の男子日本代表、井上康生監督がインスタグラムを更新。先月27日の代表選手発表会見では落選した選手の名前を読み上げながら、途中で何度も言葉を詰まらせるなど男泣き。異例の姿が話題となっていたが、これに関して言及。「あの場で涙することは監督として我慢すべきことだったと反省しております」などと522文字に渡って思いをつづっている。

 思わず感極まった。会見の冒頭で代表に選出した選手よりも先に、落選した選手に思いを巡らせた井上監督。途中でこらえきれず、涙ぐむシーンもあった。この件について、SNSを更新し言及している。

「先日の内定選手の発表会見では私の未熟さゆえ、皆様方には大変お恥ずかしい姿をお見せしてしまいました。会見を振り返り、あの場で涙することは監督として我慢すべきことだったと反省しております。

 当然のことですが、代表選考にあたっては私だけが苦しんだということはありません。強化委員長、副委員長、各階級担当コーチ、スタッフ。そして選手の所属の方々やご家族、応援してくださっている皆様。そして何より辛かったのは代表になれなかった選手であったはずです」

 涙を見せたことへの反省と、その涙に至った背景を改めて説明している。さらに続けて監督という立場についても胸の内を明かしている。

ファンは改めて称賛「こんな監督の下で競技が出来たら最高」

「世の中のスポーツ組織の監督、指揮官はこうした場面をいくつも経験され、心で涙しながらも現実の厳しさに耐えながら仕事を全うされているのだと思います。私も全日本男子柔道強化総監督という立場にある以上そうすべきでしたし、冷静に対処し、自分をコントロールしなければいけなかったと思っております。

 内定選手が勝ち取った代表権は、選手それぞれの努力の結晶です。これを誇りに思い、東京オリンピックでは何よりも自分のために戦って欲しいと思います。そのうえでやはり、我々は代表になれなかった選手たちのことを忘れてはならないと思います。我々には東京オリンピックの舞台に立つ者としての責任があります。全てを背負って戦いたいと思います」

 こう続けて、落選した選手の思いも背負って本番へ臨むことを改めて誓っていた。

 計522文字の長文投稿。ファンには再び感動を呼んでおり、「こんな監督の下で競技が出来たら最高だろうなぁ、と感じました」「いろんな意見があるのでしょうが、私にはとても人間らしい、人として想いの伝わる会見でした」「人間味のある素晴らしい方」「落選した選手達はあの涙に救われたと思います」などと改めて称賛が贈られていた。(THE ANSWER編集部)