インフルエンザ: 定点当たり報告数(2009年〜比較)

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インフルエンザの流行が急速に拡大している。
国立感染症研究所の最新発表(12月6日時点)によれば、2019年第48週(11月25日〜12月1日)の全国約5000のインフルエンザ定点医療機関を受診した患者報告数は2万7393人で、2018年の同時期の報告数のおよそ6倍にのぼっている。

定点当たり報告数(定点医療機関当たりの患者数)は5.52となり、前週の定点当たり報告数3.11より増加。都道府県別では、北海道(16.76)、青森県(15.48)、石川県(10.52)、富山県(10.42)、宮城県(9.23)、福島県(8.29)、広島県(8.22)、山口県(7.73)、神奈川県(7.08)、熊本県(6.61)、新潟県(6.44)、福岡県(6.3)、東京都(6.17)、山形県(6.15)、埼玉県(5.84)、長崎県(5.69)、愛知県(5.48)、鹿児島県(5.43)、宮崎県(5.24)、滋賀県(5.15)の順となっており、全47都道府県で前週より増加した。

教育施設における流行も急拡大しており、11月25日〜12月1日の1週間だけで、学級閉鎖は714施設、学年閉鎖は201施設、休校数は18施設。いずれも前週より増加した。

インフルエンザの感染経路は主に2つ。空気中に飛散したウイルスを吸い込むことで、体内にウイルスが入り感染する飛沫感染と、ドアノブやつり革、エレベーターのボタンなどに付着したウイルスに触った手で自分の鼻や口に触れることにより感染する接触感染だ。

ワクチン接種以外の対策としては、マスクやうがいによる飛沫感染対策や手のアルコール消毒が主流だが、学校や公共施設など多くの人が出入りする場における対策として、最近は「環境消毒」による接触感染対策にも注目が集まっている。環境消毒とは、不特定多数の人が手を触れるドアノブや手すりなどの定期的な消毒だ。

インフルエンザによる学級閉鎖ゼロを目標に掲げ、アルコール除菌剤(銀系抗菌剤を含む自社製品)による「いちにちひとふき除菌」活動を推進する富士フイルム株式会社によると、東海大学(医学部梅澤和夫准教授ら)との共同研究の一環として昨シーズン(2018年度)同活動に参加した神奈川県の公立中学12校では、インフルエンザの発症率が前年(2017年度)の25%から10%に下がり、学級閉鎖数はゼロだったという。

インフルエンザの流行が早ければ早いほど、感染する人が増える。早めのワクチン接種はもちろん、マスクや手洗い、十分な睡眠に加え、テーブル、ドアノブ、手すりなど身の回りの物の除菌を意識することで、さらに予防効果を高めることができるだろう。

【参考】
国立感染症研究所
https://www.niid.go.jp/niid/ja/
富士フイルム:いちにちひとふき除菌
https://sp-jp.fujifilm.com/hitofuki/

医師・専門家が監修「Aging Style」