旭化成の吉野彰名誉フェローが2019年のノーベル化学賞を受賞した。近年、日本人が相次いでノーベル賞を受賞していることに対し、中国ではその理由を考察する報道が相次いでいる。(イメージ写真提供:123RF)

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 旭化成の吉野彰名誉フェローが2019年のノーベル化学賞を受賞した。近年、日本人が相次いでノーベル賞を受賞していることに対し、中国ではその理由を考察する報道が相次いでいる。

 中国メディアの今日頭条は11日、2019年のノーベル賞が「再び日本人の手中に収まった」と伝えつつ、多くのノーベル賞受賞者を輩出できる日本について「中国はそろそろ真剣に分析し、日本に対する見方を変える必要がある」と主張した。

 記事は、中国人の多くは日本の経済成長が停滞し、中国が経済規模で日本を追い越したことに大きな喜びを感じていると主張する一方、「そろそろ中国人はこの喜びから目を覚ますべきだ」と強調。日本は経済的な困難に直面しているものの、まったくもって没落はしていないと指摘し、その証拠の1つが日本人が自然科学分野でノーベル賞を相次いで受賞していることであると論じた。

 続けて、日本人の科学者や研究者が現在獲得しているノーベル賞はいずれも「前世紀の研究」が評価されており、日本は「前世紀の資産でノーベル賞を獲得しているだけ」という指摘があることを紹介。しかし、これは日本が「前世紀の段階で、現在の中国と同等かそれ以上に研究開発に注力していたことを意味している」と伝え、これは中国人からすれば驚くべきことであると論じた。

 また、中国では国内総生産の規模が日本を超えたことで、「中国はすでに日本を全面的に超えた」と誤認している人が少なからず存在すると紹介する一方、こうした見方は「正しい日本を知らないだけ」であると強調。その証拠として、中国の政府関係者が日本を視察で訪れた際に「日本はバブル崩壊後に経済成長が低迷していながらも、社会の発展水準は極めて高く、中国は現代化という点で日本に圧倒的に遅れている」と述べていることを伝え、中国は国内に存在する「日本を軽視する風潮」を徹底的に変え、日本を客観的かつ正確に理解しなければならないと主張、さもなければ高度に発達した日本との差を埋めるのは難しいと論じた。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)