チャウドリーのアフターチャージを左足に受けたサラー。そのプレーにクロップが激怒した。 (C) Getty Images

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 エースを傷つけられた指揮官が怒りをにじませた。

 現地時間10月5日、プレミアリーグ第8節が行なわれ、本拠地アンフィールドにレスターを迎えたリバプールは2-1で接戦を制し、昨シーズンから続くリーグ戦の連勝を「17」に伸ばした。

 後半アディショナルタイム5分にジェームズ・ミルナーがPKを決めて、難敵との戦いを制して首位を堅持したレッズだったが、後味の悪い白星となってしまった。貴重な得点源でもあるモハメド・サラーが、終了間際に負傷したのだ。

 89分、カウンターから一気に敵陣を切り裂いたサラーが、エリア内に入り込もうとした時だった。レスターのハムザ・チャウドリーに背後からアフターチャージを見舞われ、エジプト代表FWは左足を負傷。アディショナルタイム2分にアダム・ララーナとの交代を余儀なくされた。

 試合後、英公共放送『BBC』のフラッシュインタビューで、サラーの状態を聞かれたリバプールの指揮官ユルゲン・クロップは、語気を強めながらチャウドリーのプレーに苦言を呈した。

「大丈夫かって? 大丈夫だと思うのか? あれを見て大丈夫だと思うの? あれはモウ(サラーの愛称)を倒すためだけにプレーだった。ここに立つ私は本来なら選手たちの戦いぶりを喜ぶべきだろうが、チャウドリーに対するイエローカードという判定は見逃せない。どうして彼がイエローカードで済んだのかは理解できない。モウは足を引きずりながら出て行ったんだぞ?」

 イライラした表情を浮かべるクロップは、インタビュアーに対して、「あのプレーを見ていたかい? レッドカードだと思う?」と訊き、インタビュアーが答えに窮すると、こう続けた。

「それはあなたがイングリッシュ(英国人)だからレッドカードじゃないんだ。私は信じられないよ。言い訳の余地はない。ノーチャンスだ。私が思うに100パーセント、退場だ。それがフットボールなんだよ。頼むよ。ボールは遠くにあったし、彼に何ができるというのか。ボールがない状態で相手を倒すことに全力を注いでいた。

 あれは私には理解ができない。彼(チャウドリー)だけを責めるつもりはないが、皆は言うだろう。『そうだな。うーん。グッドタックルだ』とね。あれはタックルじゃないよ。タックルってボールを取りにいくものだろ? とにかく本当に理解しがたいね」

 劇的勝利で連勝を伸ばしたリバプールだったが、指揮官の心は晴れなかった。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部