洗車に食器用洗剤を使っても問題ないのでしょうか。汚れを落としやすくするのはカーシャンプーと同じ原理でも、クルマ向けに作られているわけでないので、もちろんデメリットも存在します。

家にあるものを使いたい気持ち、わかります

 クルマの汚れといえば、泥や砂、鳥のフンなどがありますが、とりわけガンコなものは、劣化したワックス成分などの油汚れといえるかもしれません。そこで食器用洗剤、洗車に使うのはアリなのでしょうか。


食器用洗剤を洗車に使うのはアリなのか。写真はイメージ(画像:Moodboard/123RF)。

 洗車に関する技能や知識などについての資格検定試験を行う日本洗車ソムリエ協会によると、食器用洗剤は「カーシャンプーの代わりにならないことはないですが、使いにくいですよ」といいます。

「食器用洗剤もカーシャンプーも、その多くは同じ中性洗剤ではありますが、前者はおもに動植物由来の油を、後者は鉱物由来の油を効率よく落とすことに重点を置いています。クルマの汚れはほとんどが鉱物由来です」(日本洗車ソムリエ協会)

 たとえば、ガラスの油膜や水アカも、それ専用の洗剤に比べると食器用洗剤は落としにくいといいます。また、「カーシャンプーと比べると、すすいだ際の泡切れが悪く、洗剤成分が残ったまま乾き、洗いムラのように白っぽく残りやすいでしょう」(日本洗車ソムリエ協会)と話します。

 カー用品店のオートバックスを展開するオートバックスセブンによると、食器用洗剤、カーシャンプーとも界面活性剤が汚れを浮き上がらせ、落としやすくするのは同じであるものの、「食器用洗剤はその成分が強く、長期的には塗装を劣化させる恐れもあります」といいます。対してカーシャンプーは界面活性剤が少なく、シリコンやワックスなど塗装を保護する成分が入っていたり、撥水などの機能性がプラスされていたりと、クルマ用に特化した工夫がなされているそうです。