中国のネット上では「日本人の祖先はミャオ族」という噂が多数存在するようだが、中国メディアは、ミャオ族が日本人の祖先であるとするのは「荒唐無稽である」と題する記事を掲載した。(イメージ写真提供:123RF)

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 中国は漢民族と55の少数民族で構成されているが、この少数民族の1つにミャオ族がある。2010年の資料によればミャオ族の人口は約940万人で、居住者が最も多い場所は貴州省となっている。

 中国のネット上では「日本人の祖先はミャオ族」という噂が多数存在するようだが、中国メディアの捜狐は4日、ミャオ族が日本人の祖先であるとするのは「荒唐無稽である」と題する記事を掲載、またミャオ族が日本人の祖先であるという説がなぜ存在するかを説明した。

 記事は、ミャオ族の人物であり、また日本に留学した経歴を持つ貴州大学の教授の見解を紹介。この教授は1980年代に日本人の人類学者・民俗学者たちが研究調査のために貴州を訪問したときに座談会に参加する機会があったが、ある日本人学者が公に「ミャオ族は日本人の祖先である可能性がある」と語ったのを聞いたと説明した。

 同教授によれば、この日本人学者は根拠についてミャオ族と日本人の習俗には棚屋建築、水稲耕作、闘牛、わらじ、餅などの共通点があると語ったが、当時の日本は中国よりはるかに強力な経済大国であっただけに、大和民族がミャオ族から生じたというのはミャオ族の人々にとって非常に嬉しく感じる説だったと紹介した。

 しかし、日本人学者たちが日本に帰国後に発表した論文では、現在に至るまで「ミャオ族は日本人の祖先である」というフレーズは一切出てこないと指摘。教授は、日本人学者たちがこの説を持ち出したのは現地の中国人の警戒心を解き、研究調査をスムーズに行うためだったのだろうと推測し、ミャオ族が日本に渡ったとする史料あるいは証拠は「一切ない」と論じた。

 中国のSNSを見ていると、「ミャオ族の人と接触したときに、本当に日本人とミャオ族は似ていると感じた」などという書き込みを見かけることができる。日本人とミャオ族が似ていると感じる中国ネットユーザーは少なくないようだが、実際にミャオ族が日本人の祖先かどうかはまた別の話と言えそうだ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)