日立がIT領域に1兆円投資、「巨人とは違った」成長戦略の中身
「IBMやアクセンチュアの成功モデルに学びながらも、これらの巨人とは違った成長を実現したい」。こう意気込むのは、ITセクターの責任者を務める塩塚啓一副社長だ。米大手IT企業の背中を追いながらグローバルトップクラスのソリューションプロバイダーを目指す。「ITセクター」は、日立の金融・社会・サービス&プラットフォームビジネスユニットや日立ソリューションズ、日立システムズなどを束ねた事業単位だ。
日立は北米・アジアを中心に海外事業を強化しており、17年9月には産業IoTの企業「日立ヴァンタラ」を設立。18年10月には米リーンクラウドを買収、19年1月にはインド最大の国営商業銀行のインドステイト銀行と合弁会社を設立するなど人的リソースの拡大を進めてきた。だが、いまだ十分とはいえない状況が続く。
そのため、21年度までにまずは人的リソースを1万人増の4万人に拡大する。約8300億円の成長投資を確保し、M&Aなどを積極展開する。「フロント人材やデジタル人材を抱える企業を買収する。覚悟をもって行う」(塩塚副社長)とする。
成長するグローバル市場で、売り上げを拡大するためのもう一つのカギがIoT基盤「ルマーダ」事業の普及だ。ルマーダはプロダクト運用などの「オペレーションテクノロジー(OT)」にITを組み合わせ、現場のノウハウや知識を商材化する取り組み。ルマーダで重要になるのが、「ユースケース」と「ソリューションコア」の蓄積だ。可能な限り新たなシステムの開発をなくして多くの顧客に価値を素早く提供する。

