スタジオポノック、“オリンピズム”をテーマにした短編アニメをIOCと共同制作
元スタジオジブリのプロデューサー・西村義明氏が立ち上げ、劇場アニメ「メアリと魔女の花」「ちいさな英雄 カニとタマゴと透明人間」を手がけたスタジオポノックが、国際オリンピック委員会(IOC)と共同で、オリンピズムをテーマにした短編アニメーション映画を制作することがわかった。日本時間6月11日にフランスで開幕した、アヌシー国際アニメーション映画祭の「ちいさな英雄」スクリーニングイベントで発表された。IOCがアニメーション映画の共同制作に携わるのは、今回が初の試みとなる。
短編アニメーション映画は、オリンピック文化遺産財団が主導する国際芸術、文化プログラムの一環として、オリンピックに込められた「Excellence 卓越」「Friendship 友情」「Respect 尊重」の精神を共有できる作品を目指して制作。プロジェクトのコーディネートと運用実務は電通が担当する。作品の完成後は、2020年の東京オリンピック開催期のほか、以後のオリンピック開催地でも、さまざまな機会で公開されていく予定だ。また、スイス・ローザンヌに所在するオリンピック・ミュージアムに収蔵されるほか、20年のアヌシー国際アニメーション映画祭でも上映が行われる。
スタジオポノックの代表取締役を務める西村氏は「世界で初めてオリンピズムをアニメーション映画として表現する貴重な機会に恵まれ、大変光栄です。昨年夏に、国際オリンピック委員会の方々とお会いし、お話をいただいた当初は、お引き受けするのを躊躇しました。僕たちのアニメーションと、あのオリンピックの光景、アスリートたちの姿が結びつかなかったからです」と当初の戸惑いを明かしつつ、「しかし、彼らの提案は違いました。描くのはオリンピズムであり、オリンピック競技を描いて欲しいわけではない、子どもたちに向けて作ってほしい、という熱のある提案でした。世界的行事のイズムを表すという分を超えた仕事に、重圧はありますが、オリンピックを楽しみに待つ世界の子どもたちの顔を思い浮かべながら、美しく、楽しく、そして歓びをもって、競争の末にオリンピックが見せてくれる『もうひとつの価値』を真正面から描きたいと思っています」と意気込みを語った。
そのほか、スタジオポノックの公式サイトでは、オリンピック文化遺産財団のフランシス・ガベ氏からのコメントや、制作発表の全文なども公開されている。