by Rosana Prada

Amazonは、映画「ロード・オブ・ザ・リング」の原作であるJ・R・R・トールキンの長編小説「指輪物語」のドラマを制作しています。このドラマ版は「進展もメディアにもほとんど明かさない」という徹底的な秘密主義の下で制作されていて、「脚本家はセキュリティの堅固なオフィスの中で全編の脚本を執筆しているところだ」と海外の芸能メディアであるThe Hollywood Reporterが報じています。

Amazon Chief Jennifer Salke Unveils Film Plan to Battle Netflix: 30 Movies a Year (Q&A) | Hollywood Reporter

https://www.hollywoodreporter.com/news/amazon-chief-jennifer-salke-unveils-film-plan-battle-netflix-30-movies-a-year-q-a-1187597

Amazon Reportedly Has Lord of the Rings Writers in a Locked Office With a Guard and Fingerprint Scanner

https://gizmodo.com/amazon-reportedly-has-lord-of-the-rings-writers-in-a-lo-1832744087

Amazonが「指輪物語」のドラマ化権を2億5000万ドル(約275億円)で獲得したことは2017年11月に報じられていて、ジェフ・ベゾスCEOは「Amazon Primeは中つ国へ旅立つ」というコメントをツイートしています。Amazonとトールキンの作品の版権管理を行うトールキン財団、出版社のハーパーコリンズ、映画会社のニュー・ライン・シネマによる共同製作となるドラマ版は、制作費に10億ドル(約1100億円)以上がかけられるといわれています。





ドラマ版はピーター・ジャクソン監督による映画「ロード・オブ・ザ・リング」三部作のリメイクではなく「これまで未開拓の物語が描かれる」とされていました。一部報道によると、Amazonが獲得したドラマ化権の中には映画「ロード・オブ・ザ・リング」の映像を素材として自由に使える権利も含まれていたとのこと。

2019年2月15日には、ドラマ版の舞台となる中つ国の地図が公開されました。ファンがこの地図を分析したところ、ドラマ版は映画「ロード・オブ・ザ・リング」よりもずっと昔の時代設定となっている可能性が高いことが判明しています。





Amazon Studiosの社長であるJennifer Salke氏は、ドラマ版の脚本作家たちがカリフォルニア州サンタモニカにあるオフィスで全5シーズン分の脚本を執筆していることをハリウッドレポーターからの取材で明らかにしました。Salke氏によると、このオフィスは窓がすべてテープで目張りされていて、出入りするためには指紋スキャナーによるロックを解除しなければいけない密室になっているとのこと。また、オフィスの外では警備員が見張っているそうで、かなりの厳戒態勢を敷いてストーリーの流出を警戒している様子。

メディアからも注目が集まる高予算の映画やドラマの制作現場にはパパラッチがつきもの。その驚きのゲストやストーリー展開をどこよりも早くスクープしたがるカメラマンの中には、現場に忍び込んだりドローンを使ったりして隠し撮りを行う者もいます。そのため、一部の現場では徹底的にネタバレ対策を行われることもあり、人気ドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」では自動消滅する台本やドローンを無効化する装置が使われていたと報じられています。

人気ドラマの制作現場では「自動消滅する台本」や「ドローンキラー」など徹底したネタバレ対策が行われている - GIGAZINE



ドラマ化権の協定の中には「2年以内に制作に入っていなければならない」という項目もあることで、今年中には確実に制作が始まっているはずとみられています。しかし、徹底的なネタバレ対策もあり、記事作成時点ではドラマ版の制作が果たしてどこまで進んでいるのかはほとんどわかっていません。