土壇場でベルギーが逆転した日本との試合は大会屈指の名勝負だった。 (C) Getty Images

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 今夏にロシアを舞台に開催されたワールドカップ。フランスが20年ぶりの頂点に立った同大会では、幾多の名勝負が繰り広げられ、多くのサッカーファンの心を打った。

 いくつもの激闘のなかでいったいどの試合が最もファンの胸を熱くさせたのか? 11月28日、国際サッカー連盟(FIFA)のワールドカップ公式ツイッターは、「ロストフでは本当に記憶に残るワールドカップの試合を楽しんだ。あなたが際立っていたと思うのはどれですか?」と題して、ロストフで行なわれた試合に関しての緊急アンケートを実施した。

 FIFAがアンケートの対象としたのは、アイスランド対クロアチア、ブラジル対スイス、韓国対メキシコ、ベルギー対日本の4試合。このなかでユーザーから最も多い69%もの支持を集めたのは、ベルギーが2点差をひっくり返した日本にとっては忘れることができない一戦だった。

 グループHに属した日本はセネガルと勝点、得失点、総得点で並んだものの、フェアプレーポイントの差で上回って2位となって決勝トーナメント進出を決め、迎えた史上初のベスト8進出を懸けたベルギー戦は、まさに激闘となる。

 前半こそスコアレスだったものの、48分に日本が先制点を決める。乾貴士、柴崎岳と繋いで、最後は右サイドを猛然と駆け込む原口元気へ。これを受けた韋駄天は相手DFを背後に感じながらも動じることなく右足を振り抜いて豪快にフィニッシュした。

 これで勢いづいた日本は、52分に追加点を奪う。敵ゴール正面でセカンドボールを拾った香川真司から乾にパスが通ると、これを受けた背番号14は、右足で狙いすましたシュートをゴール右隅に突き刺したのである。

 しかし、当時世界ランク3位だったベルギーがここから日本に牙を剥く。

 69分に攻め上がっていたヤン・ヴェルトンゲンのゴールで1点を返すと、74分にはマルアン・フェライニに強烈なヘディングシュートを叩き込まれてあっという間に同点に追いつかれてしまったのだ。

 そして、延長戦が見え始めた後半アディショナルタイム4分。ベルギーがドラマチックな瞬間を迎えるのであった。
 本田圭佑の蹴った左からCKを守護神のティボー・クルトワがキャッチすると、ベルギーはここから一気に速攻を展開。

 自陣からのドリブルであっという間に敵陣へ持ち運んだケビン・デ・ブルイネから右サイドを駆け上がったトーマス・ムニエを経由して中央にグラウンダーのクロス。これをロメル・ルカクが背後に流して、最後は完全にフリーとなっていたナセル・シャドリが値千金の逆転弾を蹴り込んだ。これで2-3とされ、日本は土壇場で、悲願のベスト8進出の夢を断たれたのである。

 日本に対してベルギーの圧倒的な個がその力を世界に知らしめたと言うべきこの一戦は、世界中のファンの脳裏にも深く焼き付いたようだ。

 ワールドカップの公式ツイッターのアンケートに対するコメント欄には、「決勝以上の試合だった。今大会の決勝トーナメントでは一番だ」や「衝撃の名勝負」、「私はサムライたちに涙した」、「あのベルギーのカウンターはドラマチックで忘れられない」、「非現実的なことが起きた」、「この試合のことは昨日のことのように覚えている。驚くべき記憶だ」といった称賛や驚嘆する声が相次いで寄せられた。

 日本にとっては忘れることのできない悔しい一戦だが、サムライ戦士たちの奮闘が世界中から注目を集めたことは間違いない。今回のアンケート結果は、その事実を改めて証明することになったと言えるだろう。