幼稚園生にロボット教育を義務化するチリ、その狙いは?
-チリのロボット大会の状況はいかがですか。
「数年前から大学が小中学校と共同でトーナメントやワークショップ、フェスタを開くようになり、大会の数が増えてきている。さまざまなロボット関連の国際大会でチリが上位に入るなど、トップが伸び、裾野も広がっている。WRSのメンバーは国際大会は初参加だ。慣れない環境だが、これまでやってきたことを最大限発揮してほしい。大会を通じて失敗や弱点を洗い出し、それをフィードバックしてチームの成長につなげたい」
-チリのロボットやプログラミング教育の動向は。ロボットプログラミングを通して子どもたちに成功体験を積んでもらうことが目的ですが、日本では知識やテクニックを詰め込むタイプの授業に陥るかもしれないとの懸念もあります。
「我々は知識詰め込み型の教育とは真逆だ。まず一部の知識やテクニックを教える。これは次に何が必要か、子どもたちが自分で探究できるようにするための基礎だ。子どもたちが自分たちで考え、仮説を立て、試す。これを繰り返し経験させている。そして学んだことは他の地域でワークショップを開き、別の子どもたちに教える。教わる側の子どもたちから質問され、教える側は理解したと思っていてもわかっていなかった部分や、新しく勉強しないといけない内容に気が付く。そして次の探究が始まる」
-チリ全体で実施されているのですか。
「全国だ。13歳から17歳までが学び、その後、その子たちが他の地域に出張して教えるという取り組みを政府として展開している。大変だし、時間もかかる。最大の課題は資金力だ。チリは地域によって格差が大きい。へき地には科学技術に触れる機会がない地域もある。いま世界がどうなっているか、知ってもらい、格差を是正する目的もある。我々が赴く島は、その25%は電気が通っていない。その島で育つ子どもたちにとって、(ロボット教育は)科学技術を学ぶ機会になる」
