次世代太陽電池「ペロブスカイト」、折り曲げ可能へブレークスルー
従来は太陽電池専用のガラス基板しか使えなかった。成膜条件を調整し、安価かつ樹脂基板コーティングにも使われているITOガラス上に成膜できた。
変換効率は、ペロブスカイト層の厚みや表面粗さなどに影響を受ける。溶液の吐出サイズや印刷ピッチ、基板加熱温度など、最適な条件を検討した。
その結果、120度C前後で最も変換効率が高くなり、ダブルカチオン型ペロブスカイト溶液を使う場合、13・3%を達成した。耐久性が高く最も商品化に近いとされるトリプルカチオン型ペロブスカイトでも実験し、変換効率12%超を得た。
今後、ペロブスカイト層だけでなく、ペロブスカイト太陽電池作製の全工程へのIJ法適用を目指す。
次世代太陽電池として注目されるペロブスカイト太陽電池は、塗布により簡単に製造できるのが特徴。現在はスピンコート法が主流だが、デバイス化するにはIJ法やロールツーロール法などで作る必要がある。
IJ法は、用途に合わせた厚み制御やデザイン性の高いデバイス作製が容易で、実用化が期待される。ポーランドのソール・テクノロジーズ(Saule Technologies、ワルシャワ市)などもIJ法によるペロブスカイト太陽電池製造を目指している。
【用語】ペロブスカイト太陽電池=灰チタン石(ペロブスカイト)と同じ結晶構造を持つ有機無機混合材料を使う太陽電池。溶液塗布で作れ、製造コストを現在主流の単結晶シリコン系太陽電池の半分以下にできるとされる。軽量で折り曲げられ、建物外壁や衣類に貼り付けて使える電池を作れる。実験室レベルでは変換効率23%超を達成。
