一部のGoogleアプリは、たとえユーザーが端末の位置情報をOFFにしたとしても、位置を追跡し続けてデータを保存しているとAssociated Press(AP)が報じました。この問題はAndroidユーザーだけに限らず、Googleアプリを利用している限りiPhoneユーザーも対象です。

AP Exclusive: Google tracks your movements, like it or not

https://apnews.com/828aefab64d4411bac257a07c1af0ecb

APによると、プライバシー設定で位置情報をOFFにしたとしてもGoogleサービスでは位置情報が追跡、保存されているとのこと。例えば、Googleマップアプリを起動させると、その時点での場所をスナップショットとして保存し、Android端末では気象情報アプリの自動更新ではおおよその位置を記録し、場所とはまったく関係のない「チョコレートチップクッキー」などの検索でさえ正確な緯度と経度を特定してGoogleアカウントに保存しているとAPは述べています。

APによると、一般的にプライバシー設定で位置情報の追跡を許すかどうかはユーザーが指定できるものですが、たとえ位置情報の追跡機能をOFFにしたとしても、すべての位置情報追跡機能を無効にする設定にはなっておらず、Googleアカウントでデフォルトで有効になっている「ウェブとアプリのアクティビティ」を無効にしなければ位置情報は参照され続けるとのこと。

この位置マーカーがどれほど強力なのかを確かめるため、APは新しいGoogleアカウントを作成し、Googleマップアプリのロケーション履歴をOFFにした状態でプリンストン大学のポスドク研究員に端末を持たせて実験を行いました。ニューヨークへの2度の訪問では、電車を使ったこと、チェルシーマーケットやセントラルパークなどへの訪問が記録されました。なお、最も頻繁に記録された自宅の住所も特定可能だったようです。



APによると、Googleによって収集された位置情報は、「myactivity.google.com」で確認できるものの、多くの位置マーカーは異なる複数のヘッダーの下に散らばっており、それらの多くは場所とは無関係なものだとのこと。そのため、位置情報を削除する作業は骨が折れるもので、Googleは意図的に位置データへのアクセス性を低下させている可能性をAPは示唆しています。

APの問い合わせに対してGoogleは「ロケーション履歴、ウェブとアプリのアクティビティ、端末レベルの位置情報サービスなど、ユーザー体験を改善するために位置情報を利用する方法はいくつかあります。これらのツールのコントロールについては明確な説明や通知を提供して、ユーザーはいつでもそれらの機能のON/OFFを切り替えたり、履歴を削除したりできます」と回答しています。ただし、イエールプライバシー研究所のシーン・オブライエン氏は「ユーザーがたとえロケーション履歴を無効にしていても位置情報を記録し続けるのは不誠実です。それらの事実はユーザーが知っておくべきことだと考えます」と述べています。

・おまけ

Googleによる位置情報の追跡を一切受けたくないという場合、Android端末では以下の通りの作業が必要です。

「設定」アプリの「位置情報」がOFFになっているのを確認して、「Google ロケーション履歴」をタップ。



「ロケーション履歴を使用」がONになっている場合は、トグルボタンをタップして……



「OK」をタップ。



「ロケーション履歴を使用」がOFFになったことを確認します。



次に、「設定」アプリの「ユーザー設定」にある「Google」をタップ。



「Googleアカウント」をタップ。



「データとカスタマイズ」タブ→「ウェブとアプリのアクティビティ」の順にタップ。



「ウェブとアプリのアクティビティ」がONになっている場合は、トグルボタンをタップ。



「一時停止」をタップすればOKです。



なお、iOS端末の場合、「Googleアプリを利用しない」というのが最も簡単かつ完璧な対応方法です。