Somnus合同会社は、8月6日、同社が提供する睡眠コミュニティアプリ「Somnus」において、東京都庁主導で行われている働き方改革プロジェクト「時差Biz」の効果を“睡眠”の観点から検証、その結果を公開した。

小池百合子都知事が「満員電車ゼロ」を掲げてスタートした、通勤時間帯をずらす働き方改革プロジェクト・時差Biz。参加企業は現在822社に上り、坂本龍馬をモチーフとしたCM広告を打つなど都政の本気度が伺えるが、一方で「効果が見えない」「本当に定着するの?」といった疑問の声が上がっているのもまた事実だ。

睡眠コミュニティアプリ「Somnus」では、この疑問に答えるため“睡眠”という観点から時差Bizの効果を検証。関東圏在住かつ会社勤めをしているサービス利用者522人をサンプリングし、睡眠分析を行った。


平日の平均起床時間の推移

時差Bizが導入された7月9日(月)から最初の一週間は、平均起床時間がやや早くなるという変化が見られ、また起床時間のばらつきも少ないという時差Bizのよい効果が現れている。ところが、連休を挟んだ7月第3週目頃からは、起床時間が乱高下する傾向が復活。このことから、時差Biz開始当初はしばらく朝早く起きる生活が続いていたものの、定着するには至っていないとみられる。


平均睡眠時間の推移

続いて、最も気になる「睡眠時間」の増減傾向について見てみると、平均睡眠時間においては6月から8月にかけて若干減少傾向にあるものの、統計的に優位な変化は見られなかった。時差Bizによって睡眠時間が削られているということはないようだ。いまのところ「時差Biz」は睡眠時間を削ることなく人々を早起きの傾向にし、導入当初は起床時間のリズムも整えていたという良い効果を生み出したと言える。

しかし、このまま起床時間のばらつきが続き、時差Biz導入前より悪化した場合、体内時計が崩れ、昼間頭が働かなかったり、食欲がでなかったりといった生産性の低下につながる現象を誘発する可能性がある。Somnusでは、本来の目的である「社会の生産性向上」を実現するためには、通勤時間だけではなく、個々人の生活習慣にまで着目する必要があると考え、同社の睡眠負債を可視化できるアプリ「Somnus」(無料)の利用を呼び掛けている。

「Somnus」はこれまでiOS向けのアプリのみを提供していたが、8月中旬よりAndroid版のリリースを予定。現在のiOS版よりさらに進化したものが公開されるとのことである。


Somnus 睡眠アプリ

Somnus合同会社
URL:http://somnus.jp/somnus/
2018/08/06