がんを引き起こす化学物質が含まれたエルサ人形のコピー品(画像は『Mirror 2018年7月3日付「Couple jailed for selling fake Frozen Elsa dolls containing high levels of cancer-causing chemical」(Image: SWNS.com)』のスクリーンショット)

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2013年に公開されたディズニー映画『アナと雪の女王』。今も関連商品がネット上で販売されており子供たちに人気だが、このほどイギリスで許容濃度の2,000倍にものぼる有毒化学物質を含んだエルサ人形などのコピー商品を販売したとして、あるカップルが逮捕された。『Mirror』『Metro』『Daily Record』などが伝えている。

ウェールズ北部のプレタティンに暮らすリー・スカリー(38歳)とトレイシー・コックビル(40歳)は、かつて住んでいたウェスト・ミッドランズのウォルソールで違法な商品を販売したとして逮捕された。

3人の子供の親でもある2人は、ディズニー映画『アナと雪の女王』で知られるエルサの人形を無許可で製造・販売していた。それだけでなく「永久的に無料でSky TVが見られます」と謳い、危険性の高い充電器がついた「Android TV」搭載のストリーミングデバイスの非正規品も販売していたようだ。また偽物のエルサ人形からはプラスチックを柔らかくするために使用される化学物質「フタル酸エステル」が、0.1%以下という許容量の2,000倍にものぼる数値で検出されたという。この有毒化学物質は腎臓がんや肝臓がんなどの強い発がん性を持ち、不妊や胎児の先天異常、喘息などを引き起こすとされている。カップルはその危険性を承知していながら、取引規格の警告を無視して商業的規模のインターネットビジネスを展開していたが、Amazonが販売権利を剥奪したことがわかると発覚を恐れるために今度はFacebookのサイト「Trade and Sell」で販売を続けていた。

このたびウェスト・ミッドランズのウルヴァーハンプトン刑事法院で行われた裁判で、スカリーとコックビルは著作権と商標権侵害および安全規約に違反した罪を認めた。バリー・ベルリン判事は「私利私欲を満たすために、認知度の高いブランド商品を悪用し警告を無視した。安全で本物と疑わない購入者の信頼を裏切った」と2人を糾弾した。

公衆衛生・保護局のエレイン・コスティガンさんは「金儲けのために多くの購入者、特に若い子供たちにリスクを負わせることを知りながら平然と販売を続けていたことは、大きな衝撃です。この件が、世間で危険な商品を販売し簡単に金儲けをしている人たちへの警告となってくれることを願います」と話している。

8件の罪で起訴されたスカリーとコックビルには、それぞれ10か月の懲役刑が下された。

画像は『Mirror 2018年7月3日付「Couple jailed for selling fake Frozen Elsa dolls containing high levels of cancer-causing chemical」(Image: SWNS.com)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)