「東洋のマンチェスター」が人口減少、高齢化に挑む
明治期には紡績、製材、造船などで栄えたエリアだった。大阪市の資料によると、従業員4人以上の企業数は81年の452社をピークに、現在は約189社に減少。製造品出荷額も最高だった94年の3698億円を境に、14年時点で2548億円まで落ち込んだ。
この状況に同区は13年、「大正ものづくりプライド」と銘打った活動を始めた。モノづくりの伝統や技術力を同区の「誇り」や「価値」として発信しつつ、企業と区民で共有する狙いだ。地元企業や大阪商工会議所などと構成する「大正ものづくり事業実行委員会」が推進する。
同年11月には、モノづくり体験を通じ区民に地元企業の製品や技術を知ってもらう「大正ものづくりフェスタ」を実施。参加者は、13年度が約700人、14年度は約800人、15―17年度は各1000人を超え定着した。
同区の技術力の発信にも力を入れる。その一つが、モノづくり現場を見学する「大正オープンファクトリー」。工場見学会は従来、区民向けだったが、15年11月に参加対象を区外に広げ製造業17社が参画した。
見学会後は商店街や観光地を巡り、観光振興にも一役買う。2日間に188人が鋼板の切断や和菓子の製造を見学。沖縄から移住した区民が多いことから“リトル沖縄”と呼ばれる、平尾の商店街や水門などを観光した。
16年度の参画企業は22社、見学会参加は196人。17年度は港区が加わり「大正・港オープンファクトリー」として24社が参画。参加は180人。増減はあるが、こちらも定着してきた。
さらに、14年から試験的に始めていた修学旅行向けの工場見学ツアーを16年から有料化して本格化した。費用は1人当たり1000円程度と廉価。表札作りや壁紙張りといった体験が話題になり、16年度は57社が参画し14校1149人が見学。17年度は11月末現在、参画が58社、11校993人が見学。どの活動も着実に育っている。
