米紙「ESPN」もネリのドーピング疑惑について大々的に報道(画像はスクリーンショットです)

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試合前検査で陽性反応、WBC会長は牛肉の可能性指摘&面談へ「そこで真相に迫るだろう」

 世界ボクシング評議会(WBC)は23日(日本時間24日)、15日に行われたWBCバンタム級タイトルマッチで山中慎介(帝拳)をTKOで破った新王者、ルイス・ネリ(メキシコ)が試合前のドーピング検査で禁止薬物に陽性反応を示したと発表した。海外メディアも続々と反応し、WBC会長が牛肉によって検出された可能性を指摘。「メキシコではよく起こる出来事だ」と話し、真相究明に乗り出すことを伝えている。

 世紀の一戦に衝撃が走った。

 WBCが23日に行った発表によると、ネリが試合前に行ったドーピング検査で筋肉増強剤に似た性質を持つジルパテロールに陽性反応が出たという。試合は4回TKOでネリが勝利し、山中の国内最多の13連続タイトル防衛を阻み、新王座となっていた。

 米専門サイト「Boxing Sense.com」は「ルイス・ネリ、山中とのタイトルマッチ前に行われたテストで陽性反応」と報道。ネリが新王者となった試合前のドーピング検査で反応を示したことを紹介している。

 さらに、WBCのスレイマン会長の談話を紹介。それによると、食べた牛肉によって検出された可能性を指摘している。

牛肉が原因の可能性「メキシコではよく起こる」…WBC会長「結論は急がない」

「私が聞いた情報によると、クレンベトールの薬物に近い反応が出ているとのことだ。それは肥育された牛肉から出ることがある」と説明し、「メキシコでは特によく起こる出来事だ。アメリカでも特定の牛の種類によっては含まれている。ティフアナに近いアメリカの地域などでね」と話したという。

 また「わからないことなので、結論を急ぐことはしたくない。何が起きているのか、様子をみようじゃないか。我々は彼とも面談の場を持つ予定だ。そこで真相に迫るだろう」としている。

 さらに米ESPNは「ルイス・ネリのテスト失敗がバンダム級タイトルに問題を引き起こす」との見出しで報じるなど、早くも世界に波紋が広がっている。

 試合に敗れた際、涙を流し、悔しさを滲ませていた山中。新王者のドーピング反応でタイトルの行方はどんな展開を見せるのか。世界が注目している。