スターリン死後のフルシチョフらによる権力闘争を描く映画「The Death of Stalin(スターリンの死)」予告編
圧倒的な権力を振るったスターリンの死後、ソビエト連邦ではその空いた座を巡って側近らによる戦いが繰り広げられました。その様子をドラマティックに、そしてどこか喜劇的に描くアーマンド・イアヌッチ監督の映画「The Death of Stalin」の予告編が公開されました。
THE DEATH OF STALIN - OFFICIAL TRAILER [HD] - YouTube
1953年、ソビエト連邦。
人々がスターリンの葬儀のために集まっています。
1953年3月の夜、スターリンは倒れました。
居室の前には警備兵が2人。「調べるべきだろうか？」と一方が声をかけますが「2人とも殺される前に黙ってくれ」とすげなく断られました。スターリンの怒りを買うぐらいなら、規定通りに翌日まで何も知らなかったことにすることを選んだわけです。
結果、スターリンは助かりませんでした。「スターリンが死んだ」と呟くベリヤ。
こちらは「スターリンは死んだ！」とモロトフ(左)に言葉をぶつけるフルシチョフ(右)。
執務室に倒れているスターリン。
遺体を見て「なんということだ」と驚愕の表情を浮かべているのは側近のマレンコフ。
「父の追悼演説をしたい」と申し出る、スターリンの息子・ワシーリー。
マレンコフは「問題ない」と答えますが……
「技術的には問題ないが、事実上……」と渋るフルシチョフ。
「そう、私が言ったのは『ノー、問題ありだ。』という意味だったんだ」と訂正するマレンコフに、困惑するベリヤら。
「私のことは無視してくれ」とマレンコフ。
ここから、各人の権力の綱引きが始まります。
マレンコフの「賛成のものは？」という呼びかけに、いかにもイヤイヤながら手をあげるフルシチョフやベリヤら。
そして、大々的なスターリンの葬儀が執り行われます。
「レースは始まった」とフルシチョフ。
THE DEPUTY(副官)
スターリンの側近だったマレンコフですが、「何が起きているのかわからない」と、事態についていけていないような雰囲気。
THE POLITICIAN(政治家)
自らを仲裁人と呼び、邪魔するものは誰でもぶちのめす、とフルシチョフ。
THE SON(息子)
スターリンの息子であるワシーリーは、ホッケーの指導に必死。
THE SPYMASTER(スパイの首領)
冷酷な命令を次々と下すベリヤ
THE GENERAL(将軍)
フルシチョフから協力を求められたジューコフは「この会話を報告せねばならない」と告げ、フルシチョフの顔を凍らせます。
そんなフルシチョフの顔を見て大笑いするジューコフ。フルシチョフへの協力を承諾します。
「何が起きても、あなたに危害を加えさせはしない」とフルシチョフが告げた相手は……
スターリンの娘・スヴェトラーナ。「母のように自殺した方がいいのかもしれない」と頭を抱えます。
あちこちの思惑が絡み合います……。
ニキータ・フルシチョフ役はスティーヴ・ブシェミ
ラヴレンチー・ベリヤ役にサイモン・ラッセル・ビール
同志アンドレーエフ役にパディ・コンシダイン
スターリンの息子・ワシーリー役にルパート・フレンド
ゲオルギー・ジューコフ役にジェイソン・アイザックス
ヴャチェスラフ・モロトフ役にマイケル・ペイリン
スターリンの娘・スヴェトラーナ役にアンドレア・ライズボロー
ゲオルギー・マレンコフ役にジェフリー・タンバー
「The Death of Stalin」
同志アンドレーエフは「心配しないでください、誰も殺されはしません。約束します」と言っていますが、果たされるのでしょうか……。
本作は2017年のトロント国際映画祭で上映されていて、公開はイギリスで2017年10月20日の予定。日本での公開予定は記事掲載時点では未定です。
・キャスト
エイドリアン・マクローリン：ヨシフ・スターリン
スティーヴ・ブシェミ：ニキータ・フルシチョフ
サイモン・ラッセル・ビール：ラヴレンチー・ベリヤ
パディ・コンシダイン：同志アンドレーエフ
ルパート・フレンド：ワシーリー・スターリン
ジェイソン・アイザックス：ゲオルギー・ジューコフ
マイケル・ペイリン：ヴャチェスラフ・モロトフ
アンドレア・ライズボロー：スヴェトラーナ・スタリーナ
ジェフリー・タンバー：ゲオルギー・マレンコフ
オルガ・キュリレンコ：マリヤ・ユーディナ
ポール・ホワイトハウス：アナスタス・ミコヤン
ポール・チャヒディ：ニコライ・ブルガーニン
ダーモット・クロウリー：ラーザリ・カガノーヴィチ
ジャスティン・エドワーズ：スパルタク・ソコロフ
リチャード・ブレイク：タラソフ
ジョナサン・アリス：メチニコフ
ロジャー・アシュトン＝グリフィス：音楽家
