稀勢の里が春巡業全休、怪我の状態は

写真拡大

■稀勢の里春巡業全休 大相撲の横綱・稀勢の里が、春巡業を全休する可能性が高くなった。もちろん理由は左肩付近の怪我の治療によるものだが、当初は途中からでも出てくる予定だった。しかし怪我の状態が良くならないのか、今の所巡業に顔を出す予定はない。ここで懸念されるのが、5月場所の相撲に影響しないかどうかという点だろう。

【こちらも】大相撲5月場所チケット、90分で完売 電話つながらず

 一番いい形は当たり前のことだが、怪我など何もなく巡業に顔を出すことである。それが無理となれば、次に期待したいのは巡業を休んででも5月場所に元気な姿を見せてくれることだ。もし後半の巡業から(後半は靖国神社から)顔を出せば、安心した。ところが全休となってくると治療に専念するというよりは怪我の回復が遅れていると捉えられる。

 それでも稀勢の里の驚異的な回復力に期待し、5月場所の初日が終わった時に「取り越し苦労だった」と言いたいものだ。巡業さえ無理して出てきそうな稀勢の里なだけに、相撲ファンの心配は尽きない

■白鵬らは復帰 一方、巡業の前半を休んでいた白鵬、照ノ富士、豪栄道は後半から戻ってくる。白鵬は先場所横綱となった稀勢の里との対戦が叶わず、ファンの期待に応えられなかった。照ノ富士はあと一歩で賜杯を手にするというところからまさかの逆転を喫してしまった。豪栄道は3月場所の休場によりカド番で5月場所を迎える。

 3力士とも春巡業でいい感覚をつかんで5月場所に入りたいところだ。特に照ノ富士は厳しい声もあるが、もしかしたら綱取りの場所になるかもしれない。3月場所ではヒール役に回った照ノ富士の5月場所にかける想いは強いはずだ。

■相撲熱 相撲人気が上がり、90分で全日程のチケットが完売となった5月場所だが、その多くは稀勢の里によるものだろう。3月場所の逆転優勝は多くの人の心を打ち、「相撲を見に行こう」という思いにさせた。

 稀勢の里がいなくなったからといって一気に相撲熱が冷めると言うことはないだろう。とはいえ彼が相撲ファンに与えている影響力は絶大なものである。巡業先では稀勢の里を見る事が叶わなかったと言う人は残念でならないはずだ。

 しかし、もし稀勢の里が5月場所を優勝で締めくくり3連覇しようものなら、そのファンの無念さは報われる。そうなるよう今はゆっくり休んで力を蓄えて欲しい。そしてファンが一番みたいであろう白鵬と優勝をかけた一番での最高の取り組みを期待したい。